「努力論」
幸田露伴 著 和田宗春 訳
「里遠くいざ露と寝ん草枕」という俳句を詠ったことから露伴の名前がついた幸田露伴。
第一回文化勲章の受章者です。京都大学でも教鞭をとり、文学博士の称号もあります。
その露伴が江戸から明治に入った直後の人心や近代化の動きに向かって目標を定める必要から、努力を説いています。
幕府の体制から解放された自由な気風にとまどう人々に、努力という手段であり、目標は救いでした。努力していることを忘れてしまうことのなかに日本人の姿を指摘します。
自分の決意、覚悟が局面を打開する、古くて新しい、誰もが知っていて誰かが実践しない秘訣をあらためて提示しています。
ぜひお読みください。
『努力論』 街から舎、税別 1800円