2017年11月10日掲載
お笑い芸人とイジメ
—笑いをつくる不自然さ—
お気づきでしょうか。テレビの司会者にお笑い芸人が進出してきていることを。まず不自然なのは、すべてを他人を笑いの対象とする考え方から始まります。わざと他人に面白さ、普通ではないことを打ち出して関心を買い、芸能人はそれをお金にしていくのです。そして、それを組織として集合させれば会社となります。他人それも普通ではないことと興味を持たせて、“見世物”にして人気を煽り、お金にします。
ですからこれは俗語でいえば“カタギ”がやる仕事ではありません。
落語家は“毎度バカバカしいお話で御機嫌をうかがいます。”と始めます。わかっていたのです。自分たちの立場を。
いまは芸能人に憧れる若者、子どもが多いといいます。
職業に貴賤はありません。ですが他人を茶化すことを仕事とする“芸能人”、“お笑い芸人”が私たちの生活に入りこんでくることから、他人を笑いの対象にすることに何ら痛みを感じない人間を作っていくことになりはしないか、気にしていかなければなりません。
汚い言葉で相手を馬鹿にして笑いをとります。笑われる対象になった人の気持ちを配慮する気配りがなくなれば、イジメの洪水が私たちを襲ってきます。
お笑い芸人を視聴率欲しさに採用する放送関係者は自らの社員を育成する努力をしないことになります。NHKですらその傾向にあることをどう考えたらよいのでしょうか。
テレビ離れはますます加速していくでしょう。
子どもは確実にこれを真似ます。それが日常化していくことから私のいう学校犯罪、イジメが広がり深化していくのです。幸田露伴は風俗世界を一般社会と隔離することを主張しています。
2017年11月9日 記