財政委員会の記録(速記録よりの抜粋)

平成24年 第16号(平成24年10月16日)

都税事務所の役割と出張受け付け

和田委員

都税事務所の役割などについてお伺いをいたしたいと思います。
主税局は、本庁に五部、それから都税事務所は二十三区各区、それから多摩地域に二カ所というふうに配置をされているところです。
これは、よって来るところ、税を身近に、都民あるいは納税者に知っていただく、距離的な身近さをそこにあらわした一つの施策だろうと思っておりますが、それぞれ本庁と出先を含め、所管の目的を含めて、税目など含め、どういう差異があるのかないのか、まず概論的にお伺いいたします。

田倉総務部長

主税局の組織では、都税事務所などの出先機関において都税の賦課徴収を行い、納税者の皆様の直接の窓口となっております。また、本庁は、こうした出先機関の指導部門として円滑な業務運営をサポートしております。
都税事務所などで所管する税目につきましては、法人事業税・都民税や個人事業税などの道府県税を初め、二十三区内では、固定資産税や都市計画税など市町村税の一部も所管しております。
また、二十三区内の法人や個人の事業税などでは、受付窓口はそのまま各所に設置しつつ、業務の効率的な運営を図るために、申告書等の処理や調査業務について幾つかの都税事務所などに集約化を行っております。

和田委員

要するに、主税局は、本庁よりも事務所の方に人的配置も多くなっていますし、冒頭申し上げたとおり、徴税のスタイルそのもの、仕組みそのものを納税者に近づけるというような意図が十分そこに感じられるわけです。
とりわけ二十三区の中では、個人事業税とか法人事業税、あるいは地方法人特別税とか法人都民税などの課税などについては、九つの都税事務所に依拠しております。
しかし、一方で、申告の受け付け事務などについては、あらゆる事務所というか、そういうところで行っているのが都税事務所のありようなのでありますけれども、要するに、二層制というか、二段階に住民から見ると見えます。
いわゆる九ブロックに分けたのと、それから二十三ないし二というふうに特別区、それから多摩地域で分けておりますが、その辺の意図についてどのように理解したらよろしいですか。

田倉総務部長

主税局では、団塊の世代を初めとする職員の大量退職が進む中で、業務を集中処理し、税務事務に関するノウハウの効果的な継承を図り、少数精鋭を基本とした、より簡素で効率的な執行体制を構築する観点から、平成二十年度に法人二税を、また、二十一年度に個人事業税を、九つの都税事務所に集約をいたしております。
集約化に当たりまして、納税者の負担が増すことのないよう配慮し、申告受け付けなどの窓口業務につきましては、集約化した事務所以外の都税事務所においても、引き続き行うこととしたものでございます。

和田委員

要するに、二十三プラス二、二十五のそういうブランチがあるわけでありますけれども、それを九つの都税事務所にまたブロック化しました。
それは、要するに、先の質問で出ますけれども、やはり人員をコスト削減してくるとか、あるいは地理的な一つの要件、すなわち放射状に人が移動して、そしてブロックの中で事務共有できるよというような、そういう地理がかなったところを九つに分けて、二十三とは違う形で共同の作業をしていこうと、ある意味では、広域行政的な意味合いをこの九ブロックは持っているんだろうと思うんです。これは、今までできなかった新しい税務体制ができたわけで、私は大変評価をしているところです。
このことは前提にしながらも、そのことと、それから法人事業税などについて、税務署の出張受け付けというのをやっています。
私も税務署などの出張受け付けが時間的に十五分過ぎちゃうと、不可だよ、できないよというのをいろいろな条件を附帯して、最終的な税務署出張受け付けにしましたけれども、その過程で、出張受け付けのもたらした、毎月月末に、一日二人ほど派遣されておりますけれども、何ゆえに、月末に二人ということの、また効用などについて、お伺いいたします。

木村課税部長

まず、税務署への出張受け付けについてでございますが、所管地域の都税事務所から徒歩でおおむね十五分以上かかる税務署、あるいは十分以上でも地理的に困難な状況にあると認められる税務署に対しまして、都税事務所の職員が出張して、法人事業税・都民税の申告受け付け事務を行っているものでございまして、これによりまして、納税者の利便を図りまして、もって納税者サービスの向上に寄与しているというふうに考えております。
また、派遣する人間が二人という理由ということでございますが、やはり一人では何かあった場合、支障が生じるおそれがあるということと、それから、午前と午後に分けてございますけれども、やはり切りかえのロスを抑えるといいますか、そういった観点から、できるだけそういった形でやろうということで、現在行っているところでございます。

和田委員

この出張受け付けは、まさに、都の税務のサービス的な行為でありまして、みずから出向いて、そこで受け付けるということですから、納税者教育といいましょうか、納税者サービスには、大変私は、公的な一つの、平成九年から始めたと思いますけれども、今日まで実績を積んできたと思うんです。
私どもの身近でも、税理士さんなども含め、税実務者は、この出張受け付けを大変評価をしてきました。
しかし、平成九年から今日まで、相当長い時間たっておりますから、当初の効果効能とは違って、時代変遷とともに、この税務署出張受け付けという制度がどういうふうに変遷をしてきているのか、それに大変興味を持っているところです。
具体的には、受け付け件数ですね、それが総体の都税全体でどういうふうな経過になってきているのかということをお示しをいただきたいと思います。

木村課税部長

出張受け付けの実績の状況でございますが、お話のとおり、税務署への出張受け付けは、平成九年度より実施いたしております。直近十年間での受け付け件数の実績を見ますと、平成十七年度の約五万九千件をピークといたしまして、電子申告の普及等に伴い、平成二十三年度、昨年度には約三万六千件まで減少してきております。
また、受け付け件数全体に占める税務署出張受け付け件数の割合でも、八・四%から五・一%に減少している状況でございます。

和田委員

ピーク時は、それこそ八・四%ですね、税総体に占める、一〇%近かったのが、だんだん低減化してきて、昨年度は五・一%まで下がってきているという事実は、これは時代の流れの中で出張受け付けという人的なそういう受け付け以外に、電子受け付け等がずっと出てきておりますから、これはもういたし方ないと思うんです。
ただ、電子受け付けに至らない人的なそういう受け付けを、いまだに、大変便利だという人も中には多く、僕の周りにはいるんですね。したがって、時流は電子受け付けだよといいながらも、やはり出張受け付けによる利便に、大変、それを税務の一つの仕事の中に組み入れている方もいるわけでありますから、そういう当事者の声などは聞いたことがあるのかどうなのか、それをお伺いいたします。

木村課税部長

税務署への出張受け付けにつきましては、平成十六年度に関係団体である税理士会等の要望を踏まえまして、その基準を所管の都税事務所から徒歩十五分であるというところを十分に緩和いたしまして、対象税務署を拡大してきたところでございます。
また、平成二十年度の都税事務所のブロック化の際にも、納税者サービスの維持について税理士会からの要望もございまして、ブロック化した都税事務所以外の事務所でも申告の受け付けを行うとともに、従前どおり、対象税務署に対してブロック化した九事務所で出張受け付けを行っている次第でございます。
なお、それ以降、出張受け付けに関します特段の要望は受けておりませんで、むしろ、電子申告に関する利便性向上に関する要望を多くいただいているということでございます。

和田委員

先ほど来申し上げますとおり、時代は、電子申告の時代に大きく流れが移っています。ですから、平成九年当時の出張受け付けという、こちらから出向いていって、納税者の利便に供するというような、大変まじめな、ある意味で牧歌的なそういう仕組みじゃなくて、それこそ指下げで終わっちゃうような、そういう形に世の中は動いているかもしれません。
ただ、やはり携帯電話がはやることによって、公衆電話がなくなって、それで不便をかこつような人も、余り声は大きくないんですけれども、お年寄りなどについてはそういう方がいます。
世の中の流れそのものを、ただ、きちんと大きく受けとめるだけではなくて、小さな声の人、あるいは声を出せないような納税者という人に対しても、この出張受け付けというのは、ぎりぎりまで存続をし、税を納めていただくという、そういう謙虚な姿勢で、大胆に電子申告に移行するのではなく、このように、まだ三万六千件ぐらいあるわけでありますから、そういう方々の気持ちをしっかり受けとめる中で、先行きどうするのかというようなことが大事だろうと思うんです。
もし、電子申告にいくにしても、今までの出張受け付けの方のご要望をどういうふうに電子受け付けの方に移行させていくかという工夫も、必ず必要になってくると思うのでありますが、その点については、出張受け付けの将来についても含め、お考えをお聞かせください。

木村課税部長

税務署への出張受け付けの拡大についてでございます。既に三分の一を超える納税者が電子申告を行っておりまして、国税や我々都税、税理士団体等が連携して、電子申告のさらなる普及促進に取り組んでおります。
今後は、電子申告の利用率向上とともに、窓口での申告件数は低下していくものというふうに予想しているところでございます。
また、現在ではブロック化した九所の職員が手分けをして、二十三区内の対象税務署すべてで出張受け付けを行っておりまして、中には、五つの税務署を受け持つ事務所があるなど、マンパワー、要員確保という面からも、非常に厳しい状況にございます。
しかしながら、申告納税制度を維持するためには、納税者の理解と協力が不可欠でございます。主税局では、郵送による申告の受け付けのほか、電子申告の普及促進に積極的に取り組むなど、効率的な執行体制に留意しつつ、申告方法の多様化に努めているところでございます。
今後とも、納税者サービスの維持向上に努めてまいります。

和田委員

要するに、納税者の理解がないと、幾ら税務署の方が、電子化、電子化といっても、納める方の同意というか、納得がないと納まるものではありません。また、強制的に、それを納めさせるという時代でもありません。
納得して、理解して納めていただくような工夫をしていくためには、なだらかに、穏やかに、納税者にできるだけ丁寧に、電子申告の方向にいっていただくということで、関係する税理士会とか、納税団体にも、そういうようなことの普及徹底をお願いしながら、教育をお願いしながら進めていく過程で、結果として電子申告がふえていく、また、出張受け付けが、結果として減ってくるということに、私はなってほしいと。
平成九年、この制度をつくったときには、まさに、出張受け付け様様というような形で、税務当局は喜んでいたわけですけれども、それが月日とともに、出張受け付けに冷たいような形になると、これは何のためかということになりますから、基本精神は忘れずに、しかし、時代の流れの中で、どうしたらいいかという工夫をしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。

徴収率アップと滞納整理

和田委員

次に、徴税コストについてお伺いいたします。
都税の徴収率というのは、平成十年度などを見ますと、私どもが都議会に入ったときは九三%程度でありました。大都市といわれる、比較になりません大都市ですが、名古屋、大阪を見ると大体九七%を平均に保っておりました。この四%の差は何なのかなというふうに、不思議に思った当時がございますけれども、近年、私どもが想定している九七%に大体落ちついて前後している過程でありますけれども、この間、どういうような工夫、努力をなさってきたのかということについてお伺いをいたします。

西海徴収部長

都税の徴収率でございますが、ただいまお話があったとおり、平成十年度においては九三・五%であったわけなんですが、実は、その三年前の平成七年度に、過去最低の九〇・二%まで落ち込んでおりました。
そのため主税局では、組織の再構築や業務運営の抜本的改革を進めまして、十九年度には過去最高の九七・九%まで上昇したところでございます。その後、二十年度以降、景気後退等の影響もございまして、二年連続して低下いたしましたが、昨年度は、前年度を〇・二ポイント上回る九七・〇%に回復したところでございます。
ただいまお尋ねがありました平成十年度以降の徴収方法の改善点といたしましては、まず、滞納整理の組織を見直しまして、事案ごとに滞納の発生から最終処理までを一人の職員が担当する仕組みから、事案横断的に、例えば、電話による督促などの初期段階、その後の交渉段階、公売などの最終処理段階など、段階ごとに職員で分担いたしまして、より計画的な、また、効率的な処理を行える仕組みにできる限り改めまして、できる限り現年から翌年度へ繰り越さない滞納整理を徹底いたしました。
また、滞納整理システムによる執行管理を開始するとともに、多様な収納方法を導入いたしました。さらに、滞納整理を効果的に進める取り組みといたしましては、平成十六年度でございますが、全国に先駆けて、インターネット公売を導入、翌十七年度には、自動車が自走できないようにタイヤにロック器具を装着するタイヤロックを導入するなど取り組んできたところでございます。
今後の徴収方法でございますけれども、昨年度、従前のタイヤロックを改良いたしまして、自動車のドアミラーに装着するミラーズロックを導入しましたように、時代の変化に応じた創意工夫を重ねるとともに、区市町村を初めとする関係機関との連携を強化いたしまして、滞納整理の取り組み強化に努めてまいります。

和田委員

都税収入一%といっても、ことしも四兆二千億ぐらいですから、一%は四百億円に大体なるんですね。したがって、名古屋、大阪と比べて三%違うとなると、一千二百億円の九三と九七%の徴収率では、差が出てきます。したがって、当然一%は四百億円だというような、大変貴重な、そういう数字をいつも頭に置きながら、税務当局は配慮をお願いしたいというふうに思うんです。
そういう結果、九三%が九七にコンスタントに大体いくようになったという背景には、先ほどお話のとおり、一人徴収であったのを複数にして、点検する、チェックするというような、競争心もあおるんでしょう、そういうことにより徴収率を上げてくるということもありました。
そんなこともあって、東京都は、急に九七%になったということで全国で注目をされて、どうして徴収率が上がったのですかという問いかけに、当局の方は、一つ一つの事例に、各県まで行って説明をしていたようです。ところが、それではとても仕事ができないということで、夏、都民ホールに皆さんに、各自治体の税務関係者に集まっていただいて、そこで一遍に徴収率を上げたアイデアなり、工夫なりを、毎夏やるようなことが数年続いたと私は記憶をしております。
そのぐらいに、考え方を変えることによって、九三%から一千二百億円ふえる九七%に到達し、なおかつ、それがずっとコンスタントに維持されているという、東京都の税徴収のノウハウというのは、きちんと定着されているというふうに私は評価をしているところなんです。
そこで、もう一つの問題は、滞納整理の問題です。
徴収は徴収でいいんです。九七%も、一生懸命頑張っていると思うんですが、滞納整理の工夫によっては、まだまだ都税に対する徴収の効果が上がってくるかなと思うんでありますけれども、それには、団塊世代が、ある程度徴税技術を持っていた方が卒業されてしまって、それがどういうふうな継承をされているかというのが不安です。
少なからずテクニックも含め、滞納などについては人的な一つの熱意だとか、行為が、一つの成果を上げるというふうに思っておりますから、システム的には、機械的にはできません。
そこが途絶えたのではないかなという心配もあるんですが、どういうふうに継承技術を、今日伝えようとしているのか、また、どういう工夫をされているのかについてお伺いいたします。

西海徴収部長

ご指摘のとおり、多くのベテラン職員が退職し、その有する知識や技術の継承が滞納整理についても大きな課題であると認識しております。
そこで、例えば、平成二十三年度の取り組みでございますが、滞納整理の中核を担う職員を対象とした、延べ十四日間の専門科研修、こちらの講師は、主に専門課長、その道のベテランがやったわけですけれども、そういった研修を初めといたしまして、実務の即戦力に向けた局研修を延べ二十回実施いたしました。そのほかに、各都税事務所、あるいは近隣の都税事務所ごとによるブロックなどでも研修を実施しております。
また、円滑かつ着実な継承へと結びつけるために、経験者と未経験者とのペア制を導入するなど、実務を通した指導、OJTあるいは事務所内での勉強会など、さまざまな取り組みを行っているところでございます。
主税局では、引き続き、職員の状況に応じて、きめ細やかな育成に努めてまいりたいと存じます。

和田委員

納税の義務という言葉がありますが、やはりどちらかというと、税は余り納めたくないという本心、私には少しのぞけます。したがって、本来は義務なのですけれども、どうしてもそこにストレートに払うというところまでいかない心理が働くものですから、それを喪失して、失わさせて進んで払うようにしていくことが、スムーズな納税の仕組みだろうと思いますし、そのことが、いわゆる都民の義務として、納税を進んで行うということだろうと思います。
これに関しては、十一月でしょうか、税務署関係の七団体とか、そういうところが一斉にチームを組んで、税を知る週間だとかそういうことで、小学生に税のポスターをかいてもらうとか、そんなことで青少年を含め、社会教育的な税教育をしているのは承知をいたしております。
これからは、徴税率を高めていく。その次に、滞納についての整理をしっかりして、根気強くやっていくと同時に、永続的には、納税思想というものを、子どもたちを含め社会教育的に広めていく必要があるだろうというふうに思うんでありますが、それについては何か新しい工夫を考えていらっしゃいますか。

田倉総務部長

納税思想を普及させるための取り組みについてでございますが、納税思想の普及は、納期内納税を推進していく上で極めて重要でございます。
このため、これまでも主税局では、納期周知ポスターや広報紙「あなたと都税」等で納期のお知らせ、都税の制度やその使われ方などを周知しまして、納税者意識を高める取り組みを行ってまいりました。
また、小中学校等に職員が出向いて出前授業を行う租税教室の実施や、中学生の税についての作文に対する支援、協力など、次代を担う児童生徒の納税に対する理解促進に取り組んできたところでございます。
今後とも、都民の納税思想の普及啓発に努めていくとともに、都民の納税に対する興味、関心を高めるため、創意工夫を凝らしまして、納税者意識の一層の高揚を図ってまいります。

和田委員

今まで、徴収率がおおむね九三%から九七%に上がってくる過程の努力、それから納税思想に至るところまでお答えをいただきまして、大体順調な形で、都の税務体制というのはきたのかなと思うんですけれども、問題は、そういう表面的な問題はいいんでありますけれども、やはり人件費をどれだけかけて、どれだけ回収できたのかという、人件単価といいますか、経費をいっぱいかけて徴収率を上げても、人件費がかかったのでは意味がありません。
したがって、人件費対徴収コストの比較、これは平成十年でも結構ですし、七年でも結構ですけれども、今日までどういうふうな経過をたどってきているのでしょうか。

田倉総務部長

主税局は、歳入総額の約七割を占める都税につきまして着実な収入を確保するため、これまで組織一丸となって取り組んできたところでございます。
その結果、平成十年度におきまして九三・五%であった徴収率は、平成二十三年度には九七%まで引き上げることができました。
この間、主税局の人件費、事業費の総額から成る徴税費の推移で見ますと、平成十年度におきまして約九百十億円であった徴税費総額は、平成二十三年度には、約六百十七億円にまで減少いたしました。
これを都税収入との対比で千円当たりの経費を算出した場合、平成十年度には二十一・四円であった経費が、平成二十三年度には十四・九円に減少しております。このことは、効率的な業務運営や事務の見直しに伴う定数削減等の結果があらわれたものと受けとめております。

和田委員

確かに、徴収率の九三から九七は、もちろん大変な努力だと思いますが、今お答えいただいたとおり、千円当たりのコストが極めて低減されてきております。平成十年の千円当たり二十一・四円が、昨年度は十四・九円というふうに、極めて合理的に、計画的に低減してきているなと思いますが、この姿勢を守って、なおかつ九七%を超える形で徴収していただきたいということを申し述べておきたいと思うんです。
それから、この問題の最後になりますが、不納欠損という最終的な一つの判断がありますが、これについて、各都税事務所ごとの判断に差異がないと思いますが、また、振り返って、不納欠損をするタイミングといいましょうか、こういう事例で、こういう事由で行ったので不納欠損しますというふうな、どういう理由から、そういう形になるかということをお伺いいたしたいと思います。

西海徴収部長

不納欠損についてのお尋ねでございますけれども、都税のうち個人都民税を除きました東京都が直接賦課徴収する一般分におきましては、平成二十三年度の調定額三兆四千六百四億円に対しまして、不納欠損額は八十七億円でございまして、その割合は、およそ〇・二五%でございます。
私どもが滞納整理を進めていく中で、第一に、滞納処分をする財産がないとき、第二に、滞納処分をすることによって生活を著しく窮迫させるおそれがあるとき、第三に、滞納者の所在及び滞納処分をすることができる財産がともに不明であるとき、以上、三点におきましては、地方税法第十五条の七第一項の規定によりまして、滞納処分の執行停止を行っております。
この滞納処分の執行停止を行った事案の中で、停止が三年間継続したとき、あるいは徴収することができないことが明らかであるなど、地方税法第十五条の七第四項及び第五項の規定に該当するものにつきまして、不納欠損処理を行っているところでございます。
主税局では、不納欠損処理を行うに当たりまして、法令に基づくとともに、局内において統一的な取り扱いになるよう常に周知徹底を図っておりまして、ご心配のような都税事務所ごとの対応に特段の差異が生じるということはございません。
今後も、事務指導や実務研修などを通じまして、統一的な法令解釈及び事務処理が行われるように周知徹底してまいります。

和田委員

停止三カ年間、それから徴収不可能という条文上の文言をしっかり執行していただければ問題はないんですが、人間ですから、先ほど徴収率が九三%から九七に上がった過程で、二人制にしたということをお話しになりました。別に一人制を僕は疑るわけじゃないんですけれども、やはり人間ですから、いろいろな情の問題とかなんかが出がちであります、出るとはいいません。
したがいまして、ここのところは、やっぱりきちっと厳正に、常に、先ほど来、研修とか教育とかということが出ましたけれども、ここのところをやっておきませんと、どうしてもなれてくる。なれれば人間、そうなればいろんな都民にとって迷惑をかけるようなことにもなりかねないわけでありますから、ぜひぜひこの不納欠損処理というのは、最終的な一つの判断であり、ある意味では、財産放棄につながるわけでありますから、このところは意を込めて、しっかり今後とも教育をお願いしたいし、研修等もお願いしたいということを申し上げておきたいと思います。

固定資産税、都市計画税の軽減措置

和田委員

次に、固定資産税、都市計画税の減免措置であります。
これは後に触れますゴルフ場利用税とも関係いたしますが、要するに、不均一課税といわれるものであります。
地方税法では、後に詳しく触れますけれども、不均一な課税も、減ずるも、増ずるもよろしいという規定を設けておりますが、その中の一つに、都税に関しては都市計画税の軽減が入っていると、ゴルフ場利用税についてはそこにあるというふうに考えているわけでありますが、とりあえず、当面、均一課税、不均一課税よりも、この固定資産税や都市計画税の減免措置について、小規模といわれる二百平米以下の住宅、非住宅の用地などについて措置をされて、今日まで東京都は、毎年それを継続してきておりますけれども、どのような経緯があったのかお伺いをいたします。

宗田税制部長

都独自の固定資産税等の軽減措置でございますが、まず、小規模住宅用地に係る都市計画税の軽減措置、これは不均一課税の規定を適用して創設しているものでございまして、バブル期の昭和六十三年度に都民の定住確保及び異常な地価高騰に伴う税負担の急増緩和を図ることを目的として創設したものでございます。
また、小規模非住宅用地の固定資産税等、これは減免措置でございますが、平成十四年度に、非住宅用地の過重な税負担を緩和するとともに、厳しい経営状況にある中小企業に対する支援を目的として創設されたものでございます。

和田委員

この軽減措置によって、創設されたとき及び昨年度の減収規模、東京都から見て減収ですよ、それについてはどうなのか。また、その政策的な効果をどういうふうに把握されておりますか。

宗田税制部長

軽減措置による昨年度の減収額でございますが、小規模住宅用地の軽減措置によるものが約二百八十億円、小規模非住宅用地の減免措置によるものが約二百四十億円でございます。
これらの軽減措置の効果でございますが、地価水準の高い二十三区の税負担を軽減するものでございまして、都民の定住確保策や中小企業対策の一つとして大きな役割を果たしていると考えております。

和田委員

三百二十億円と二百十億円ですね。減免あるいは軽減措置の金額が明らかになりました。それでまた、小規模住宅の軽減は二百八十、それから、これの減免措置については二百四十ということも明らかになりました。
これらの軽減措置の具体的な件数と、一件当たりの平均軽減額はお幾らになりますか。

宗田税制部長

平成二十三年度の対象件数でございますが、小規模住宅用地の軽減措置は約二百十五万件、小規模非住宅用地の減免措置は約二十一万件でございます。
また、一件当たりの平均軽減額でございますが、小規模住宅用地の軽減措置、約一万三千円、小規模非住宅用地の減免措置、約十一万四千円でございます。

和田委員

小規模の非住宅用地の減免が二十一万件あったということで、--約一万三千円、それから非住宅用地の減免については、金額については十一万四千円ということで、額の大小はともかくですね、当初、部長お答えのとおり、バブル期の、それこそ狂乱といわれるような言葉が出てきたような時期に、都民の生活の安寧を、安定を祈るために、この政策が打たれて、今日、毎年毎年継続されてきているという経緯があります。このことは、先ほど来、申し上げている不均一課税ということであります。
不均一課税というのは、大きくは、政策を後ろ盾にした不均一課税だと私は理解をしております。政策背景がなければ、不均一じゃなくて普通の税率でいいわけでありますけれども、特段の事由が発生した場合に、その事由を克服するために、税をふやしてみたり減らしてみるという、そういう不均一課税がこの都市計画税だと思います。後に触れるゴルフ場利用税でもあるんです。
とりわけ、固定資産税や、あるいは都市計画税の毎年都がやっているこの計画には、今申し上げたとおり、政策的な背景が大きく後ろ盾になっているわけですけれども、その政策的な背景、すなわち、商業ですとか、あるいは家庭の家計の問題などに大きく改善がなされていないというふうに判断をするときに、この継続などについては、来年度以降も、どういうふうに当局は考えているんですか。

宗田税制部長

小規模住宅用地及び小規模非住宅用地に係る軽減措置につきましては、社会状況の変化や景気の動向などを踏まえ、不断の見直しが不可欠であると考えております。
平成二十五年度以降の取り扱いについても、そのような観点から検討していきたいと考えております。

和田委員

時代背景に特段の変化がなければ、継続というのは常識なのかなと思いますが、とりあえず今の部長の答弁で、検討するということでありますから、それを待ちたいというふうに思います。

ゴルフ場利用税の不均一課税問題

和田委員

次に、ゴルフ場利用税に入ります。
これは、まさに不均一課税の最たるものでありまして、東京都が不均一課税をどんなところで取っているかというのを考えてみますと、法人都民税についてまず不均一、それから、法人事業税についても不均一、自動車税についても不均一、そして今申し上げた都市計画税、さらに課税免除というのは、ゴルフ場利用税にもありますし、それから自動車税についても課税免除もあります。要するに、七つか八つの税目に際して、不均一課税を採用している、もう既に採用しているということが事実経過としてあるわけであります。
私は今回、ゴルフ場利用税を取り上げましたが、平成十二年に、これは予算委員会で石原都知事にも質問したゴルフ場利用税でありますけれども、この経過の中で、あえて今回私が取り上げたのは、二〇二〇年のオリンピックと関係をするからであります。そして、オリンピック種目になって、リオデジャネイロから採用されて、日本がもしも当選すれば、日本のときにもこれは、多分オリンピック種目になるでありましょう。
ゴルフに税金をかけている国というのは、正確には私の承知するところ、ありません。ただ韓国ではゴルフに関係をする税を一つ設けておりますが、利用税ではないと聞いておりますから、世界でゴルフをやっている国で利用税をかけているのは日本だけだというふうに承知をしております。
オリンピックを争うときに、ゴルフ、いわゆるスポーツに税をかける国というのを決して先進国だとはだれも見ません。少なからず、ゴルフというスポーツにまで税金をかける、スポーツに理解のない後進的な国ではないのかなという見方をされるだろうと私は心配するからであります。
私も、早稲田のゴルフ部に体育会で四年間在籍をして、いわゆる遊びではないゴルフをやってまいりました。まさにスポーツでありますから、ズックを履いて、先輩のバッグも背負って、自分のバッグを背負って、山や丘をくぐって、球を拾ったり、あるいは夏の合宿では鍛えられたりしてきました。
したがって、ゴルフはもともとスポーツだというふうに心得ておりますから、今日まで利用税をかけてきていることは、大変不愉快な思いをしてまいりました。
ゴルフ場利用税の撤廃地方議員連盟なるものをつくって、仲間と一緒に署名活動もしてきたところです。
さて、そういう立場で、オリンピックの招致活動を、一方で世論調査などを気にしながらやっているときに、その主体である東京で、まだゴルフ場利用税を取っているということが、国際的にどういうふうに受けとめられるのかということもありますが、まず、スタートとして、そのゴルフ場利用税を課税している根拠について、改めてまたお伺いいたします。

宗田税制部長

ゴルフ場利用税は、ゴルフ場の利用行為に対して、一人一日につき定額で課税されている都道府県税でございまして、税収の七割はゴルフ場所在の区市町村に交付されております。
このゴルフ場利用税を課税している根拠でございますが、ゴルフ場の利用者には十分な担税力が認められること、ゴルフ場は、開発許可、道路整備などゴルフ場所在の区市町村に、さまざまな財政需要を生じさせていることとされております。

和田委員

カビの生えているような昔の大蔵省の書いた教科書をお読みになっているようでありますが、今そんなことを、まち場に出て、ゴルフ場利用税なんていったって、もともとゴルフ場利用税を納めていることを気になさっていない方もいるし、今改めてそういうのを公開の場でいわれたら、担税力云々などということをいったら、とてつもなく陳腐な意見として一蹴されると思いますので、大変私は残念な見解だと思います。
石川遼さんなども、彼はインターハイで大変いい成績を出して、すぐに高校生でプロになりましたけれども、子どものうちから自分のうちの中にゴルフ練習場をつくって、トレーニングして世界的なプレーヤーになりました。
また、青木功さんは、私どものそばにあります都民ゴルフ場のキャディーをやりながら、一日二百五十円、当時のゴルフボールは二百八十円しましたけれども、球よりも安い日給であのひょろ長い真っ黒な体で、ゴルフを、風に向かって打つ姿を私も承知しております。いわゆる苦学するのと同じように、苦労しながらプロになって世界の青木になるということを考えれば、スポーツじゃなくして、遊びだなどということは、とてもいえるものではありません。
まして、石川遼さんにしても、大変苦しいトレーニングを積んであそこまでいっているわけでありますから、その担税力があるがためにとかというようなことのために、ゴルフに税金をかけるなんてことは、全くゴルフを知らない人の、また、理解しようとすることのない人の言葉だろうといわざるを得ないんであります。
それで、重ねてでありますけれども、では、東京都は、二十二のゴルフ場があると記憶していますけれども、それは一級から八級まであります。ゴルフ場の整備によって八級、一級まで分かれておりまして、整備がしっかりしているところは千二百円、整備が余りできてない、ゴルフ場も十八ホールないところは四百円、それを八段階に区切って、当時の大蔵省は税をかけたわけでありますけれども、東京都では、今どういうふうな状態になっておりますか、税収については。

宗田税制部長

平成二十三年度の都のゴルフ場利用税収でございますが、約六億三千万円でございます。また、先ほど申し上げましたように、税収の七割、約四億四千万円がゴルフ場所在の都内区市町村に交付されており、当該区市町村の貴重な財源となっております。

和田委員

ゴルフ場利用税の交付金ですね、七割の方の金額が、平成二十三年度についてあるんです。これは都内に二十二ゴルフ場があります。所在地は四区九市一村ですね。ですから八王子などは三カ所あるかな、そんなことでありますから、一行政区一カ所ではありません。二十二ゴルフ場が、四区九市一村に、一町です、大島町ですね。大島町にありますから、その中に配置されているということです。
江東区などについては、二十三年度は二千百万円、それから我が北区は九百六十万円、一番多い八王子市、今申し上げましたが、九千四百万円ということで、合計すると四億三千八百万円というような形に、二十三年度の数字では、私の手元ではなっているんです。
したがって、ゴルフ王国といわれているような、茨城ですとか、あるいは群馬だとか、栃木とか、そういうところのゴルフ場利用税の歳入というのは大変高いものがありますし、一概に、これを減免などということにはなかなかなじまないと思うんでありますけれども、しかし、我が東京については、不均一課税をもう既にやっています。
そして、大きく構えていえば、二〇〇〇年の都税調、東京都の税制調査会では、中間答申でこんなことをいってます。消費税の見直し等というところの項目の中で、また、この場合には、現在ゴルフ場利用税、鉱区税、狩猟者登録税、入湯税等の消費等に関連した地方税も存在することから、税制の簡素化を図る観点から、消費税、地方消費税にこれらの税目を吸収し、整理していくべきであるという見通しを二〇〇〇年時点、これは神野先生だと思いますが、税調の中でこのような答申がもう既に東京都の姿勢としては、なっています。
しかしながら、これは国に向かって、地方税法の中に包含していくべきだというふうに建言をしているわけでありますから、即東京に向かって言葉をいっているわけではありません。
しかし、今まで考えてみますと、消費税が導入された平成元年に、本来ですと娯楽施設利用税という形で吸収されるべきものが、先ほど出てきている担税力か何かで残された。
それから、五%に変更されるときに、これまた変化がありまして、十八歳以下、七十歳以上には、国がこれは税をかけないというふうにしました。大学生以下の学生にもかけないようにしました。
すなわち、消費税が増税されるときに、少しずつその対象者を減らしてきているというのが、政策的に国に、うかがい知ることができるんです。
今度八%になるときに、総じて、このゴルフ場利用税を撤廃できないのかというのが私どもの考え、そしてまた、JGAといわれる日本ゴルフ協会もそうですし、東京都ゴルフ連盟も大きくは、この増税の機会に、もう喪失させてしまおうと、なくしてしまおうという意図を今持って動いているところです。
しかしながら、オリンピックの候補地というか、候補都市が決まるのが来年の九月。九月までに、もしも先ほど来申し上げているとおり、ゴルフ場利用税がある国というのが、スポーツに理解のない国だよというような形で、変な逆ねじを食わされたときに、とても対抗できない。
したがって、できるだけ早く、ゴルフに税がかかっていないよという形を整えていくためには、国に向けてもちろん働きかけすることは当然でありますけれども、東京都でできる範囲での不均一課税をとるべきだというのが私の方針なんです。
既に、先ほど申し上げているとおり、国では、十八歳以下七十歳以上、もうこれは五%のときになくして大学生以下にもなくしております。
しかし、東京都は、私などの発言もあって、六十五歳以上も、一定要件が整えば軽減措置をもうとっているじゃないですか。それを拡大するということでどうなんだと、それを広げ、深めることでどうなんだというのが私の今回のゴルフ場利用税に対する一つの見解であります。
改めてお伺いしますが、六十五歳以上のゴルファーに不均一課税を東京都の条例でかけた理由は何なんですか。

宗田税制部長

お話のとおり、都は、年齢六十五歳以上七十歳未満の方が行うゴルフ場の利用について、ゴルフ場利用税の税率を二分の一とする不均一課税を行っております。
その理由でございますが、都では、かねてから、高齢者の心身の健康保持の観点から、六十五歳以上の方への税率を二分の一とする軽減措置を講じてまいりました。平成十五年度の地方税法改正において、七十歳以上の方には非課税措置が新たに設けられましたが、都ではそれまでの経緯を踏まえ、引き続き六十五歳以上の方の軽減措置を継続してきたものでございます。

和田委員

さきに申し上げましたとおり、不均一課税の概念というのは、こういうふうに書いてあります。
地方税法においては、課税標準や標準税率等を規定し、その範囲で、全国画一的に地方団体の課税権を制約しているが、公平の原則からは、同一条件になる対象に対して同一税率によって課せられることが望まれる。しかし、公平の原則を満たす弊害よりも、不均一課税の措置による利益が大きい場合には、この原則に対する例外が認められる。例外としての地方税法上の不均一課税は、次のとおりである。公益に関する不均一課税、広く住民一般の利益を増進するものであること。負担の公平と特定の政策目的の価値について比較検討し、不均一課税を行う妥当性があること。さらに、条例措置を講ずることというふうに書いてあるんです。
私は、冒頭に立ち返って、オリンピック招致という大きな東京都挙げての、また、日本国を挙げてのこの政策課題というのは、私は、不均一課税を取るべき大きな背景になるのではないか、動因、モチベーションになるのではないかというふうに考えるのであります。
主税当局は、税のことしか考えない、オリンピックはわからないというふうにお答えになると思いますから、あえてここでは、私の方から質問を用意しますと、要するに、オリンピック当局であるスポーツ振興局と、税を、不均一課税を採用することのできる主税局は、オリンピック招致にかかわって、不均一課税について話をするべきであると私は考えるのでありますが、どのようにお考えになりますか。

宗田税制部長

お話の不均一課税でございますが、地方税法第六条第二項で、地方団体は、公益上その他の事由により必要がある場合においては、不均一の課税をすることができる、この規定でございます。この不均一課税につきましては、地方団体において、納税義務者に係る一定の事由に該当することを理由として、一律かつ無条件に税負担を軽減するような措置を講ずることのないよう留意することとされております。
政策目的にかかわらず、一律かつ無条件に税負担を軽減する措置を都独自に導入することは、法に抵触するものと考えております。

和田委員

だから先ほど申し上げましたとおり、主税当局だけの見解を聞けばそうなのですよ。しかし、不均一課税を、先ほども読み上げたとおり、取り上げてくる背景には、今おっしゃったとおり六十五歳以上、六十九歳まで、国では七十歳、十八歳以下というのに、東京都は六十五から六十九まで取り上げたわけでしょう。
それは、お年寄りというか高齢者の健康のためだという、そういう背景があるから、国が考えていない六十五から六十九歳まで取り上げたわけじゃないですか。それと同じように、税務当局は、まさに今おっしゃる地方税法の考えもある。
しかし、オリンピックをどうしても招致しなきゃならないという東京都、それから日本という立場からは、先ほど申し上げてある不均一課税を採用する背景に大きな政策的、政治的な背景があって、不均一課税を取り上げているわけでありますから、それは単に税務当局だけではなくて、政策全体で判断すべきことだと私は思うんですよ。もう一回答弁願います。協議するかどうかですよ。

宗田税制部長

今後新たな不均一課税の導入に際して、スポーツ振興局などの事業所管局から特定の政策目的に基づく具体的な要請、それもゴルフ場利用税をすべて軽減するとかそういうことではなくて、特定のところに対象を絞って、具体的な要請があった場合には、協議していくことになります。

和田委員

大事なところだから、ちょっと押さえさせてください。ゴルフ場利用税に限らずにとおっしゃったが、それはどういうことですか。

宗田税制部長

ちょっと言葉が足りなかったかもしれませんが、都の課税するゴルフ場利用税を、オリンピック招致のためにすべての方に対して課税免除する、あるいは不均一課税をするということは、法に抵触するものと考えております。もう少しこう対象を絞り、具体的な要請がスポーツ振興局からあれば、それは協議していくことになります。

和田委員

先ほども、六十五歳とか大学生とか、属性に、オールじゃなくて、全体じゃなくて属性、いわゆる身体障害者の人だとか、十八歳以下だとか、学生だとか、六十五から六十九までだとか、そういう属性を限っていえばという理解でいいですか。
それでも結構でありますから、少なくともスポーツ振興局とオリンピックに向けての、主税局との関係の協議を、今、部長の方は、考えるということをおっしゃったようでありますけれども、積極的に、スピーディーに、九月がもう限度でありますから、考えていただくことを要望して、私の質問を終わります。