2016年9月2日掲載

富山市議の政務調査費の詐欺事件

—刑事問題です—

 富山市議が目的の政務とは違う使用をしていました。ひどい市議は領収書の金額の前に数字を書き足して増額までしていました。

 富山市議会は定数40です。9月15日までに7人が辞職願を出し、定数の1/6以上が欠員となります。

 辞職願提出後、議会はすぐに議決して、欠員となります。法律で定数の1/6以上が欠員となった時、50日以内に補欠選挙を行なうことになっています。すると選挙の公営に1億円以上かかります。

 

 この事件の原因は政治風土にあります。一つは甘えです。議員になれば特権的になった、特権を得たと錯覚して甘えるのです。バッジをつけ、「先生」と呼ばれて偉くなった気になり、少しぐらいのわがまま、甘えは許されると勘違いするのです。自分が作った領収書に数字を書き込むようなことを始めます。

 二つ目は党派を越えて、議会の中で狎れ合うようになります。議会の中だけの共通の議員意識の依存となります。富山市の例では自民党のボスが、他党にその秘伝(?)を伝授して、民進党系の会派の中にまで伝染していったのです。

 富山市という地域の風土も影響しているかもしれません。大都市でもないわけではありません。特にいま上げた1と2の複合としての醜聞です。公金を支払われる公職の厳しさ、厳密さを国会も地方議会にも知らしめなければなりません。また詐取ということは詐欺なのですから、議会は刑事告発をして、法の審判を受けるべきです。前例、判例をつくることで全国の議員が本来の公職を痛感するはずです。議員の役割とは何か、を自覚できるような制度、仕組みを作らなければ地方議会という一般社会から隔離された場所の慣行や力関係が根を張っていくのです。異論、少数意見も生かされる風土にしなければいつまでも醜聞事件はなくなりません。

2016年9月15日 記