2019年3月29日掲載

自殺それも10代前半が最多!

—家庭、社会の役割は—

 厚労省の人口勤動態統計では、戦後初めて我が国の10〜14歳の死因で自殺が一位となった。最近では中学生の女子が二人、高層住宅の下で倒れていて自殺と報道された。自殺数は03年の3万2千人を頂点に17年に2万5百人まで減ってきた。しかし10代の数は560人と増えている。

—つかみにくい原因—

 小・中学校生徒は思春期が個人によって異なるもののその入口。心身の不安定な時期である。父、母、などの家庭、学校、社会といった環境から受ける刺激に敏感となる。またその刺激も人を介さない情報や陰湿なものなど個人では防護できない質と量となっている情報の洪水社会である。

—家庭・社会をたてなおす—

 家庭崩壊、親子の断絶と言われて久しい。それは子どもが個室をもつようになったから、親が、あるいは仕事が忙しいので会話がなくなったからと原因が指摘されてきた。結論は、教育学者や評論家は何もきまった解答を書けないということだ。そうなれば家庭を構成するわれわれで個個の意思疎通の方法を考え出すことしかない。他人の評論を期待せずに、自分の家庭すなわち地上に二つとない家庭環境を見て対策を練るだけである。現在の学校は教育機関というより経営機関として限界がある。一義的には家庭を構成する親、親族と子どもの関係を挨拶の出来る、日常会話の出来る関係にするところから始まる。いわれてみれば当たり前のこと、それを再確認するところから若い自殺者を減らす気風を作っていくことだ。

2019年3月26日 記