ゲーテと選挙

 世界的な文学者ゲーテがワイマール公国の首相を務めたことがあります。

 彼は就任と同時に一つの提案をします。

 国民はどんなに格式ばったことを言うかと固唾を飲んで見守っていました。

 そうしましたら、ゲーテは「公国のみなさん、箒(ほうき)を持ってください。自分の家の前を掃いてきれいにしましょう」と言いました。

 国民は「なーるほど」と合点がいきました。

 税金のこと、国民の義務などという要求が出されると思っていた人々は、小さな身近かなことを自ら行なうことによる国づくりを提案され、納得したのでした。

選挙も同じです。日常生活で考えられる範囲での改革、改造しかできないのです。

 選ばれる側も、選ぶ側も不可能なことを要求したり、あたかも実現できるようにその場をとりつくろうとすることはいけません。

みてくれでなく誠意、実績を通じて人選びをしなければ民主主義は死んでしまいます。

政治家を万能の神にするのも、政治家を唾棄することもこの両極端は国家,自治体を不幸にします。

 若さ、女性といったみてくれや印象で政治家を選ぶ「劇場型」選挙は小泉劇場の小泉チルドレンで終わりにしなければなりません。

 政治家の中身、誠意、正直、情熱、行動力といった本人意思で身につけた才能、人格、などを評価する選挙にしなければなりません。

 私は区議20年、都議8年の実績を生かせる都議会をつくるために努力してまいります。

2009.7.2 和田宗春