2017年8月15日掲載
まもなく『本阿弥行状記』が出版されます。
—電子書籍で、はる書房から—
3年前から手がけてきた仕事です。日本絵画史に興味のある方は俵屋宗達、尾形光琳を御存知でしょう。2年前は琳派400年ということで、全国で展覧会が開かれました。
その時に学芸員資格を早稲田大学で取得しました。
目的は東京都の芸術施設を連携させるために基礎知識を知ることでした。研究対象は日本絵画史でした。
すでに本阿弥光悦を調べようと決めていましたから、世評の琳派に反発して、光悦の光派を強調するべきという姿勢で「本阿弥行状記」という本阿弥光悦の言葉やその一族の家記を5代にわたって記したものの現代語訳の出版を計画したのです。
—日本初めての完訳—
いままで上・中・下巻とあったものの上巻しか公にされていませんでした。
上巻だけが資料的価値がある、という評価からです。
細かく書きためてあり、枕草子のように各段に別れていて、380段あります。政治への提言、権力者への批判、評価など辛辣に書かれています。生活雑感もあります。封建社会のあり様が見られます。9月には出版されます。
次回から「光悦の時代」として、芸術文化について書いて、順次掲載します。
2017年8月11日 記