2018年7月12日掲載

呆れるだけでなく個人を確立する機会が来た!

 自民党の元内閣総理大臣2人が森友学園、加計学園と安倍首相、妻の昭恵夫人との関係をそれぞれ次のように言っている。

 小泉純一郎は「バレている嘘をぬけぬけと」と週刊朝日に、「国家の破滅に近づいている」と福田康夫が共同通信に語った。

 自民党内の派閥の距離はわからないが、感情ではない総理経験者だけがわかる問題処理の態度と国政への危機感であろう。

—慣れから脱け出る時—

 刺激に慣れてくると反応は鈍くなる。安倍政権の強弁、無定見に国民は反応しなくなっている。時に国内外の重大事例が勃発して、国民の目と耳がそちらに向き、安倍政権から離れる。これの繰り返しがこの一年続いてきた。安倍政権は国民の慣れの感覚の中で命脈を保ってきたのだ。情報社会の目まぐるしい変化を追うことに懸命となっている国民の習慣がこれを許してきた。その証しが世論(せろん)調査の安倍支持の数字に表れている。この数字で安倍政権は強気な姿勢を変えずに居直ってきたのである。

—涼しい個人をつくる—

 自民党の政権担当者だった二人の警告とも提言とも取れるこの言葉は、深刻に受け止められずに今日まで来た。国民は反応しなかった。国民の政治感覚は麻痺しているのだ。いまこそ世論(せろん)ではなく輿論(よろん)をつくっていく時代だ。それには確固たる個人。みんなで仲良くという集団ではなく、一人でも主張する、数をたのみにしない涼しい個人を自分の中に育てていく時が来た。

2018年7月9日 記