2018年7月17日掲載

これでよいのか、学校の中に学習塾が!!

—教室が壊れていく—

 子どもが少なくなったことで、学習塾は淘汰が進んできている。私立高校は進学結果を問われて入学者が減ることを恐れ、学校に塾を出張させるようになった。この両者が連携する背景は他にもある。学校は教員の業務の長時間残業が問題となっている今日、仕事量を減らしたい。塾は運営費の1/4といわれる教室の賃料が要らず、一度に数百人の生徒が獲得できる。広告費も節約できる。私立高校にとどまらない。公立学校が補習に導入している場合もある。中学校の英語教師、ネイティブ・ティーチャー(母国語教師)の活用はほとんどの自治体で行なっている。

—学校を侵食する塾—

 塾の指導技術を利用しようとする学校はすでに学校の役割の一部を放棄しているに等しい。教師の能力の問題もあり、受け入れざるを得ない環境にある。注文の多い保護者などの圧力もある。生活指導などに精力を使う教師の役割も重要である。家庭の教育力の低下もある。塾は学力の増強に不可欠となった。20年度からの大学入試センター試験に代わる「大学入試共通テスト」では、読む・聞く、に加えて、書く・話す能力も求める。高度になる教育水準に学校の限界がある。コロコロ変わるわが国の教育方針は、文科官僚の自信のなさの証左であるが、いまはそれは置いておいて、学校の塾への依存、逆にいえば塾の学校浸食が問題となるであろう。それは形態、内容ともに教育が経営となり、金儲けの場となり、それに学生が翻弄されることになるからである。

2018年7月11日 記