2019年3月26日掲載

いま流行のツイッターという伝達方法が正しく意志を伝えるか

—無機質伝達の不気味さ—

 いまスマートフォンのツイッターで意思交換がなされている。便利だという。私はやらない。やろうと思っていない。速くて、電話と違い会議中でも電車の中でも交流できる便利さがある、という。

 ファックスを初めて使ったときも、文字が相手方に瞬時に移動する科学に驚かされた。いまは慣れたがその便利さには度肝を抜かれた。

—筆、ペン、ボールペン、鉛筆—

 他人と会って話をしたり、依頼事をお願いするのは手間がかかる。しかしその手間のなかに相手への態度が表現される。また相手からも手間をかけるだけの配慮をかけてくれる慈愛が伝わってくる。その一つ一つに人格、誠意、配慮が込められている。いわゆる作法である。直接に会わず、人を介し文書で代替することを本意としないところが基本である。手紙などで次善の策として依頼や通信するのも程度がある。私は、筆を最上とし、次にペン、ボールペン、鉛筆と段階を下していく。上手、下手に限らず、この道具によって自分の姿勢が相手に響き伝わると考えるからである。勿論この順序は緊急性によってかえることもある。

—トランプ大統領のツイッター操作—

 歴代大統領とは違い、トランプ大統領はほとんど記者会見をしない。自分の指で短い文字数で情報伝達をする。ほとんど形容詞を用いず、主語と述語で終えている。字数が制限される。このツイッターの特性を賢く利用して、世界に発信して行間を想像させる。そしてつぎのツイッターに気持ちを引き付ける。すなわち情報を操作する。たとえば誤用が指摘されるまで様子をみて、世界を注目させるなどの手法もあるだろう。人を媒介しない情報の速さは評価する。評価せざるを得ない。しかしその欠点もある。相手の顔色も声音も筆跡も見えない情報を当たり前のように受け渡すことだ。この不気味さの向こうにアメリカ大統領選挙にあろうことか、予想だにしないロシアという競合する大国の関与があったかもしれないのだ。トランプ政権の調査結果がでて、3月23日現在、発表の段階という。ツイッター世界のおどろおどろした国際政治の裏面が明らかになる瞬間は近い。

2019年3月26日 記