2016年7月24日掲載

ふたたびのAmerica First

—わが国の外交方針は?—

 アメリカ共和党大会が21日に開かれ、トランプ氏が指名受諾演説をしました。すべての政策に「アメリカ主義(America First)」を掲げ、アメリカを再び偉大な国にしようと訴えています。隣国との国境に壁をつくる、TPPには署名しない、など激烈な主張を行ないました。しかし米国第一主義は1920年代の地方政治で採りあげられています。

 私の翻訳した『シカゴ』(メリアム著)では市民候補のトンプソンが「アメリカ優先主義」を訴えています。アメリカは、時代に応じて内向きになりそのたびに「アメリカ第一主義」、「アメリカ優先主義」が頭をもたげてきます。

 およそ100年ぶりのトンプソン氏のアメリカ第一主義は、国際協調から逸脱したアメリカが自国の利益、防衛に舵をきることになる危険性があります。わが国の外交力が問われます。アメリカ追随ではない道を取る準備をしておく必要があります。トランプ氏、クリントン氏のどちらがアメリカ大統領になっても、基本的なわが国の外交方針となります。

2016年7月23日 記