2018年4月10日掲載

安倍政権の政治主導とは?!

—ただ自分に都合のよい圧力だけ—

 政治主導とは聖徳太子の冠位十二階から始まるわが国の官僚制の硬直を、民意を受けた政治家が風通しのよい国民のためのものにすることです。毎日が法律をつくること、それが正しく運用されているかを監視する官僚が、政治すなわち国民を軽んじないように、権力を思い違いして自分たちが下僕であることを忘れないように、監視し、監督するのが政治の仕事です。それをその通り実行していれば世の中はうまく回転していくはずです。

—三権分立は国の基本—

 三角形があります。それも三辺が等しい長さのものを正三角形といいます。姿、形が整って美しい図形です。まさに民主主義を構成する司法(最高裁)、行政(官僚)、立法(政治)が等しい権力、権威を持って国民生活を保護している正三角形が三権分立のあり様です。しかし、いま安倍政権は自分の位置する立法のそれも自公の一辺を長くしていて正三角形を崩してしまっています。

 それは加計、森友問題に見られる安倍首相と夫人に蝟集する自公の政治勢力が阿ることで助長してきました。

—歪みは行政にも—

 安倍首相個人周辺の問題とともに軍国化を進めるその姿勢は自衛隊にも波及してきています。自衛隊のイラク派遣の日報がないといっていた陸上幕僚監部だけでなく、航空幕僚監部にもあることが判明しました。これは憲法が大切にしてきた文民統制すなわち国民の自衛隊統制がなされていず、陸上、航空の部局が揃って嘘を国会、国民についていたことになります。加計、森友問題、文科省、財務省そして自衛隊という醜聞は力づくで政権を維持してきた安倍政権の平成の「金環蝕」を思わせるものです。

 立法が本来の役目である行政の監視に力を入れていくべきです。政権の維持に汲汲としている間に、自衛隊が気ままにふるまい始めてしまったのです。本当の政治主導は、いまこそ国民が民主主義の正三角形のあり方を再確認することから始まります。

2018年4月6日 記