2022年7月14日掲載

この検事の犯罪をどう考えるか。

 このような人の話こそじっくりと聞いてみたい。

 その人は村木厚子さん(66歳)。彼女は初め労働省に入ったが、2001年の省庁再編で厚生労働省に変わった。障がい者自立支援法を制定した。実体のない障がい者団体を障がい者団体と認める証明書を偽造したという疑いで逮捕された。取り調べた特捜部の検事は恐ろしいことを言った。「僕の仕事はあなたの証言を変えさせることだ」と。わたしはいま、どのような人間に怒りを感じるかと言えば、権力を我がもの顔に使う官僚に、である。検事も、警察官も同じだ。人の自由を束縛し、犯罪を作り出そうという悪魔になる可能性を言うのだ。彼女は164日の拘留中、自分で見つけた捜査の矛盾をついて無罪判決を獲得した。

 わたしはこの後のことを言いたい。犯罪人扱いをされた村木さんに、損害賠償金が約3千万円出たという。当たり前だ。だが、それで村木さんの人生が買い戻せるわけではない。わたしは村木さんに「証言を覆らせる」と豪語した検事の名前を公表するべきだと言いたい。いま冤罪、無罪を勝ち取った村木さんを自分と置き換えたとき、この検事が涼しい顔をして法務省で仕事をしていることは許せない。名前を明らかにするべきだ。この検事は村木さんという普通の官僚を意図的に、不法にも犯罪人に仕立てようとした「犯罪人」ではなかったのか。村木さんの名誉はこれからも完全には回復されない。

2022年7月7日 記