2025年9月16日掲載

自民党は解党、野党を中心にした石破政権の継続をするべき

 安倍政権の傲慢な運営に、自民党全体に国民が「拒否権」を抗しているのが今の日本の現状と思う。都議選、参院選でまったく予想しなかった政党が躍進したことが原因だ。自民党の綻びの証拠と言える。この分析なく、いま自民党の総裁選である。残念なのは戦後、国民が自民党に日本の政治の構図を描き続けさせて来たことである。これに挑戦した新自由クラブなどもあったが、その教訓は生かされていない。

 しかし、ここにきてスマートフォンなどの普及で、指先で意思を伝えられるようになった。国民がスマートフォンの利便性と匿名性を生かして政治に関わるきっかけとなった。その証が都知事選挙、都議会議員選挙、参議院選挙での新勢力の台頭である。指先で生み出された政治勢力である。おぼつかない。

 かつて日本維新の会が同じ登場の仕方であったが、この政党はいま地方選挙などで退潮傾向にある。新興政党は時間をかけて確かめないと不安が多い。しかしながら、この傾向は情報社会のもたらしたものとばかりは言えない。

 これは一方でお笑い芸人などという職種を生み出し、社会が芸能化してきて、皮肉、笑い、中傷といった真面目さを失ってきたことと繋がっている。テレビ、ラジオ、新聞などで芸人といわれていた人々が司会をしたり、中心となって番組を進めている。芸人とはある意味で昔の太鼓持ちといえるだろう。自分を卑しめても、笑いを取り、その場を盛り上げる。

 今までアナウンサーなどがその道を専門に目指してきた。そんな人々の出番はなくなった。その場を取り持ち、視聴率を上げ、購読数を確保できれば、なまじ専門の教育を受けている人間より使いやすい。このことは他の世界でも言えて、情報化と芸能化と言えるだろう。言い換えると一方は速さ、もう一方は茶化しである。どちらも真面目さが欠落している。こんな社会状況の中で自民党の総裁選挙である。もう自民党が単独で政権を担えないことは、公明党との連立で経験済みのはずだ。自民党単独で政権を獲りに行くという総裁候補は出ていない。ここで道は二つである。飛躍していると言われることを承知であるが。一つは新総裁が自民党を解党して新党を作る道、もう一つはよりましな政権ということで自民党の総裁でない石破を担いで自民の一部と野党で新政府を作ることである。かつての安倍政権で力を得ていた人は、総裁として欠格者ということだ。

2025年9月22日 記