2017年12月12日掲載

光悦寺と楽美術館を訪問

—行状記出版に際して—

 12月4日、5日に一泊で写真を無償で提供してくださった光悦寺を訪問しました。3時間半にわたって茶室、それも表千家のそれを写した際で御夫婦と私たち二人ですごしました。


本阿弥光悦墓前で

 光悦寺先先代の再興の努力、そして先代の毅然とした姿、維持管理の工夫などをお聞きできました。それはまた別の機会に触れることにしますが、一つだけ。
 駐車場には観光バスの利用は禁止とありました。その理由(わけ)は、大勢が一度に来られると寺と庭を静かに味わえないから、ということでした。テレビで紅葉の特集をするので協力してほしい、と申し出があっても断っている、ということでした。心意気やよし、と私も収入に代えられない、光悦であれば断っていたと思います。御住職と話している間は、「光悦さん」と呼ばせていただきました。知られていない話も知り、勉強になりました。


光悦垣

 泊りは新婚旅行の地・奈良で。翌日は月曜日休みだった楽美術館に行きました。

 光悦寺で濃茶をいただいたのが光悦作の「雨雲」の写しでしたが、その真物を見ることができました。

 「雨雲」は軽い手触りで至福の時でした。光悦から二代目の光瑳に書き送った土の注文などの手紙もありました。初代長次郎の二彩獅子像、光悦寺、楽美術館とも私の訪問を歓迎していただき、『本阿弥行状記』の上・中・下巻への期待と励ましをいただき恐縮しました。

 この訪問で行状記とのとりあえずの区切りとします。


光悦寺住職と鷹峰を仰ぐ

2017年12月6日 記