2021年7月1日加筆掲載

剣道交流

その2 山岡鉄舟と筑波大学の剣道

 筑波大学の前身は明治7年(1872年)に創立された東京高等師範学校である。その後東京教育大学となり筑波大学として現在にある。この初代学長は柔道の加納治五郎である。加納は高野佐三郎を剣道教師として招聘した。高野は一刀流である。武道が明治の初めの教師育成教育の中心であったということは興味の湧くところである。

 さて、この高野は無刀流の開祖山岡鉄舟に弟子入りしている。前回の最後の敵討ちで触れたように融通無碍の人間であった山岡は来る者は拒まず応対している。今の筑波大学の剣道の元は高野、その先生は山岡である。

 私は政治家として信念をもって江戸を戦場から守った山岡を尊敬してきた。そう生きたいと思ってきた。江戸東京博物館で開かれた、山岡鉄舟の展覧会を学芸員として応援した。山岡が創建し自分も眠る谷中・全生庵に時間があれば座禅を組みに行き住職とも交わりを持たせていただく。その私が筑波大学の剣道講座に通う奇縁は、尊いと思っている。

2021年6月28日 記