2023年2月25日掲載

気になっていたことがなくなると

 いままで説明のつかない気分の沈みがあったのです。自覚する原因はありませんでした。しかし、その原因が分かったのです。その日を境に孫悟空の頭を締め付けていた金輪のような拘束の原因が、はっきりしたのです。あっ、そうだったのか、こんな理由だったのか、という気づきです。他人が聞けばそんなこと、何でもないのにという程度かも知れないことでした。気分の沈みの原因は、何年も続いてきた剣道7段昇段への拘りだったのです。2月18日、長野県で開催の全日本剣道連盟主催の七段審査会に合格してから、今日は4日目の22日です。まったく自分が変わったと分かります。

—知らずに陥っていた自分の姿—

 起床時間の4時にも、素早く対応できるようになりました。どんどん積極的に動けます。明るい気分で考えられます。これまで薄暗い世界にいたように感じます。結局は私の心に剣道昇段への希望が占めていた比重が大きかったということです。その希望がかなわずに何度も打ち砕かれて審査に落ちてきた結果、自分の物の見方が暗かったのかもしれません。

 それが7段合格から、私の中で全く変化したのです。目標が達成できない人のどうにもならない、どうもできない、行き場のない思いに引きずられてきた不満が分かりました。そのような人に同情しつつ解決に協力したいと思います。いまは明るい別世界に入ったようで、これからのやることに意欲がわいて背筋が伸びます。

—「たかが」のために応援しよう—

 興味のない方にとっては、「たかが」剣道7段ですが、その楽しみを知り修行の困難さも知った私は、ひたすら竹刀を振ってきました。審査に落ちた虚しさ、また挑戦する意欲、その繰り返しの長い年月でした。稽古を共にしてきた剣友に感謝すると同時に、今度は仲間の挑戦に協力していこうと思うのです。当事者にしか分からないもやもやした不満、憂いなどを他人事と思わずにその解決を応援していきます。教育剣道という新しい理念で教育の一環として剣道の普及に勤めていきます。剣道に限らず協力を求められれば応じていきます。

 「たかが」と思わずに「たかが」を大切に育てていきます。

2023年2月21日 記