2023年3月12日掲載

剣道との44年間の付き合い

[1]7段合格からまた修行は始まる

 2023年この春、2月18日。剣道7段に合格した。私はもちろんのこと家族も喜んだ。35歳から始めて79歳で7段である。これが速いのか遅いのか分からない。6段に60歳で受かってから、7段受審資格が生じたのが66歳。それから都議の仕事の合間に受けてきた。

 なぜ途中で止めなかったのだろうか。あの防具の重さ、夏の暑さ。冬に裸になって着替える寒さ。初心者に打たせる稽古で頭に響く痛さ、小手のしびれは思わず呻きたくなる。

—趣味の範疇を超える—

 私にとって剣道はあくまで趣味である。楽しめばよいのである。時間のとれた時に竹刀を振ればよい。誰も強制するわけではない。だが趣味とは言えない人々もいる。例えば警察官に警護,護身のために教える助教、学生に教える体育大学の教師などはプロそのものである。それであるから彼らは修行の段階を示す段位に、こだわらざるを得ない。

—昇段にこだわる—

 仕事の看板である。要するに職業、プロである。ところが私は素人、アマチュアである。

 適当に楽しめばよかったのである。過去形でいう理由は、エネルギーも時間も費用もある程度かけないと、自分の剣道の上達の指標である段は得られないということである。いつの間にか段位にこだわるようになっていった自分を、自ら考えてみようと、この欄を始めた。

2023年3月9日 記