2023年8月3日掲載

剣道と44年の付き合い

【17】筑波大学の講習会終わる

 4月の末から6月の末まで二カ月の講習会が終わった。秋葉原から筑波エクスプレスとバスで、2日間を除き毎土曜の八日間。朝5時起きで帰宅は午後2時半。全出席。修了書をいただく。主に秋季、過去数回の受講だが、すべて基礎基本を中心とした講義。剣道部の学生が相手。毎回、目標を立てるのだが、今回は出端面。自由稽古で出端面を学生と打ち会うというもの。相手が触刃から交刃に入るところを面に出る。互いに10本、相打ち10本。これを学生と行う。相手をよく見ることが全てである。足、腰、膝、肩などの構えを瞬息でつくる。この訓練をする過程で色々なことが見えてきた。

 竹刀の振り上げを速くすることで、スピードが出た。竹刀は面がねと面布団の境を押し切ることで、身体が前に出る。学生と打つ感じ、打たれた感じを話し合う。独りよがりにならないためである。

学生が並ぶように

 このほかに竹刀の握りで、小指半掛けを試した。効果があることが分かった。互角稽古ではなく基本の出端面だけの稽古であるが、気を満たし、溜めると呼吸のこともあって疲れる。一本、一本の打ちの時に感想を言い合う。稽古が終わってからでは、思い出せないし覚えていないからである。右手が曲がる、打ちが深い。真っすぐな体捌きになっていない、などである。互いに気づいたことをいう事で、信頼が増してくる。このやり方に学生が並ぶようになった。最終日などは、「和田先生は今日までですか」と名残惜しそうな学生もいた。剣道型も色々とヒントを与えてきた。自分でも大いに勉強になった。エネルギーのある学生から剣道のあらたな取り組み方を学んだ。貴重な体験であった。自分たち教育剣道に生かしていこう。筑波大学の先生方、ありがとうございました。学生の皆さん、ありがとうございました。

2023年7月 記