2024年9月2日掲載

出たい人より、出したい人を考える機会

 自民党、立憲民主党それぞれが党の代表を選ぶ選挙の準備に入った。近い解散、総選挙の自分の選挙を意識している人も入っているのかもしれない。ここで名乗りを上げないと後塵を拝するという思いの人もいるかもしれない。とにかく政界の動きは先の先まで読まないと振り回される。自民党、野党の公職選挙法違反、政治資金規正法違反などバラバラと出てきたものの後始末もしないうちに、にぎやかな党総裁、党代表の選挙である。立候補に必要な推薦人集めがゲームのように報じられている。マスコミを巻き込んだ両党の宣伝合戦である。

—国民とは距離のある人選びー

 ここで気を付けなければならないのは、この騒動はまさに賑やかしは、国民のいまの生活とは直接かかわらないのである。暑さ、豪雨という天候不順のあおりのなかで暮らす人々の多くには関係ないイベントである。党員にとっては参加意識を達成できる機会かも知れないが、ほとんどの国民は傍観している。党員ではないからだ。

 ここで考えてみたい。どちらの党にも関係ない人人は、この際、両党の党の仕組みや代表選に出ようとする人を見本にして、両党の体質、政策などを類推する機会としたらどうだろう。青臭いとわれても、かつて「出たい人より、出したい人を」と言った標語がはやったことがあった。

—出したい人を選ぶ予行演習にー

 もしかしたら党の総裁、代表になれば、自分たちの国の総理大臣になるかもしれない人選びである。これから明らかになる醜聞、思いもよらない性格、過去など人間模様を観察する良い機会になるかもしれない。お金で買えない好機である。権力を求めてうごめく政治群像の表裏を知ることができる。私たちは絶好の政治教育の教室に座っているのだ。出たい人々の実態を知って、出したい人を求めるわたしたちの反面教師として活用していきたい。それでなければ、わたしたちはマスコミを専用して自党の宣伝をする政党に振り回される愚民ということになる。

2024年8月30日 記