2025年7月29日掲載
石破総理はやめるべきではない。
参議院選挙の政権与党の過半数割れは事実として受け止めなければならない。しかし、いま石破総理の辞任が必要なのだろうか。自民党の裏金問題は党が引きずってきた宿痾であった。石破さんの責任ではない。
20日の参院選後、我が国とアメリカの相互関税問題が15パーセントで決着を見た。株価はとたんに1300円以上値上がりした。経済界が好感し、株に関心のある人が景気が良くなると踏んで、買ったから株価に反映した。ここで「変化の中に安定を、安定の中に変化を」という言葉を思い出す。トランプ大統領の得て勝手な経済取引に翻弄されている世界にあって、日本はとりあえず15パーセントの税率で合意した。これは石破総理の手柄ではないのか。政治的には及第点が与えられる。
いま野心をもって石破批判をして辞任を求める国会議員は、自分が総理だとして、これだけの対応が出来ただろうか。政治を行うべき時に、自民党内の権力闘争を優先する政治感覚は政治家のそれではない。もとより選挙の敗北は自民党総裁としての責任問題ではある。しかし、それ以上に日本の総理大臣という立場には、比較にならない重要性がある。自民党の中の権力闘争と、国民の生活を担う政治の役割を混同してはならない。ポスト石破を狙う自民党の有力議員と言われる人間は、国、国民を思う政治家ではなく、自分の欲を追及する、ただの野心家である。とても国民の代表とは言えない。強引なトランプ大統領から当面、是正を勝ち取った石破内閣はお手柄である。自民党内の野心家たちは、変化の中にあってこそ安定が大切である、という言葉を噛みしめるべき時である。
2025年7月25日 記