2015年8月28日掲載
学芸員講座のひとくち5
小中学校の美術展の季節になりました。
体育館に貼り出すのにも学年別、席次別にしたり、大きさを配慮したりします。
観る人の目の高さ、人数なども配慮しなければなりません。椅子をおいて休む人のためのサービスもしたいところです。観てまわる順路もぶつからないようにします。
そんなことが学芸員の身近な働きです。
だれもが考える心地のよい観覧をすすめる仕事です。それが国立博物館、都美術館のように専門施設になって規模が大きくなるだけです。そんなきっかけで学芸員の職務を知るわけです。しかし何事も深さがあるのもつきものです。明るさなども観やすくする条件になります。150ルックスが標準ですとか、科学的な数字が出てきます。国宝などの展示の湿度、温度は資料としての保存のために60%、20℃などがよいといわれます。それを守るように指導する人が学芸員です。
また古墳の発掘の仕方、古い本の修復、仏像の補修なども仕事です。もっと広くなると水族館の展示も学芸員の仕事です。
そう考えますと、デパートの展示によって買いやすいかどうかというように展示によって理解のしやすさが異なります。
そこで学芸員の腕の見せ所が出てきます。いまは古い本の修理を実習しています。
これから実習で時間がつぶれます。
動きが出てきます。体力勝負です。
2015年8月27日 記