2015年10月7日掲載
琳派の前にあるもの(2)
—光派を考える—
いま私たちの頭の中は、日本の歴史を勝利した倒幕派の視点で覆いつくされています。体制をつくっていた徳川政権と支えた諸勢力と時代を読み違えた守旧派として一種の軽蔑の目で見ています。先の読めない浅はかな短慮の輩というところでしょう。
その逆に幕府を倒した朝廷派は英雄ともてはやされます。たとえば坂本龍馬、西郷隆盛などでしょう。
同じようにこれから取り上げる本阿弥光悦の光派と琳派の関係は、唱え始めた人間のその時の勢いに乗った命名にすぎないのです。本阿弥よりも尾形光琳が目立つ活躍をしたからにすぎません。
それも俵屋宗達、尾形光琳が赤、黄、緑、金、銀の色を使った絵によってそれまでの墨絵の枯れた絵の限界を打破したのです。時代は室町時代の華やかさを受け継いだ徳川時代の安定した文化の出発点であったのです。私のいう光派、本阿弥光悦の人やその業績に迫ります。
2015年9月30日 記