2021年6月13日掲載

猛禽類の幼鳥を助けた話

 5月10日からの愛鳥週間は過ぎたが、この時期雛が親鳥から自立する。

 6月9日朝、赤羽ビバホームの駐車場で二羽の烏がギャアギャアと鳴いていた。羽を広げてけたたましい。瞬間に何かをつついている様子が分かった。すぐ走ってゆき、見ると小さな鳥を囲んでつついている。二羽の烏を払いのけると、つつかれていた鳥は雛より大きい幼鳥である。羽を伸ばして横たわっている。くちばしから血が出ている。目が大きく嘴は下に巻き込んでいてよく見る鷲,鷹の猛禽類の特徴がある。捕まえて烏から保護しようと体を両手で押さえると私の手をつつく。その痛さと言ったら血が出るほどである。それでも捕まえて、ダンボールに入れ、北区、東京都に電話を入れた。都の鳥獣保護課ではその近くに放してくれと言う。親鳥がいるからという。だがまた烏に襲われることは間違いない。それは出来ないので近くの自然観察公園に放すことにした。

 自然観察公園はまったくの人の手の入っていない環境なので細かな柵があり、猫も入れない烏も人間の食べ残しがないのでいない。ダンボールを開けてもしばらくは出てこない。しばらくすると4,5メートル先の枝に飛び移り、鋭い目でこちらを見たりしていたが、さらに林の奥に飛び立っていった。久しく野鳥を掴んだ記憶がない。羽の感触、もがく体のしなやかさ。随分昔の子供の時のことを思い出していた。小さな命の保護の話である。

2021年6月10日 記