2021年6月17日掲載

ノー・サイドの精神の実行

 ラグビーで活躍した選手が相次いで新しい分野へ転身する。福岡堅樹と五郎丸歩である。

 それぞれラグビーを国民に身近なものにしてくれた。私も昔はルールなどが分からずスポーツとしては馴染めなかった。体をぶつけての攻防の一瞬の入れ替わり。厳しいルールのもとでの公正な審判。女子の試合もあるが、歴史的には紳士の競技と言える。激しい試合が終わった後は、体の接触、ぶつかり合いの結果を、ノー・サイドと言ってこだわらない相互の友情の交換となる。ユニフォームを交換することもある。

 この引退、引き際の見事さは“見事”というほかない。一芸に秀でた結果いつまでも恋々とその場にとどまる切り替えの鈍い人の多いことか。人生は一度だけ。自分の能力を使い切って終わりたい、私は。だから俳句も剣道も幸田露伴、本阿弥光悦、メリアムも出来ることはやっていきたいと思い実行している。そんな中でこの二人の行動は、言うは易しく、やるとなると躊躇する人がいるはずだ。最近にない清々しい話題である。それにつけても横綱白鵬の引退の時期はいつなのか。

2021年6月14日 記