2013年12月11日掲載
安倍政権の変節
—人気取りの財政政策—
昨年の12月、安倍政権は民主党の公約破りを指摘し、民意もそれを支持して結実しています。
おおざっぱにいって民主党政権は素人の集団が、現実の厳しさを知らず、理屈家の学者、評論家などの言説をとりあげて急ごしらえでした。その例が「政治主導」という名目で官僚を悪者あつかいして自ら破綻していったのです。
そして無力な政権となったのです。
さて安倍政権は国民から嫌われないように人気取りの所業に出ています。
たとえば経済政策です。
政府の公的需要である政府消費、公共投資すなわち政府が使ったり投資する比率が国全体のつくりだすGDPの前期比で増えた分の80%にもなっているのです。安倍政権は国の借金を減らす公約でした。この政策は国の借金を増やしているのです。景気刺激策としての政府支出は借金を増やしている。この矛盾をいつまで続けるのか。
来年の3%消費税の増税の国民不満、不安を解消させるための甘い誘導策であるともいえます。
また中小、大企業のそれぞれが、将来の企業拡張の期待からの設備の新設である設備投資が不調なのです。雇用、個人消費も勢いが出ずに停滞する可能性があります。
最後に昨年の秋から続く円安から輸出が伸びるはずなのですが前期比で減少しています。
いずれも安倍政権の目論見と逆の結果になっています。
安倍政権は強者のための政治です。まず経済優先すなわち大企業に都合のよい企業関係税の減税などを率先して進めようとしています。しかし労働者への利益の配分が不十分ですから、貧富の差は広がります。
国の財政の不均衡、収入と支出、借金を健全にすることを安倍政権は目指すはずでしたが、先に挙げた企業減税などで収入が減れば不可能となります。
批判することは簡単ですが、いざその場に立てば実行は難しいのです。
2013年12月10日 記
