2014年4月24日掲載
ことばの乱れは社会の乱れ
私は演説をしたり文章を書いたりする機会が多いほうです。
放送ではNHKを話し方の基本と考えてきましたが、今日ではそれもあきらめました。NHKラジオのコーナーで「すっぴん」ということばが出てきました。
すっぴんとは俗語で、とくに芸能界の化粧をしない素顔という意味でしょう。
大衆化するNHKを印象づけたいのでしょうが公共放送としての品格がありません。
いまはどうかわかりませんが、フランス人は観光客が英語で話しかけてもフランス語でしか応じないと聞いたことがあります。
それほどフランス語に誇りがあったという誇張かもしれません。
ついでに申し上げればラジオもテレビも、ニュース以外は全ての局が漫談、お笑い番組です。
それも奇をてらったものばかりで、かわいい!ジューシー!の連発です。
まだ文字の世界はこれほどではありませんが、漢字が淘汰されて横文字に押されている状況です。
パソコンをはじめIT社会の進歩もこの傾向を急がせています。
言語の乱れは文化、生活につながっている証明です。幸田露伴は遊廓の風俗が一般社会に流行することを心配していました。
いまは進んで一般社会が風俗文化の乱れを求めている倒錯した社会となっています。
2014年4月22日 記
