2014年6月10日掲載

“ことば”の大切さ

 ことばを大切に、ということを書きます。いまテレビもラジオもくだけて乱暴なものの言い方が歓迎されています。いわゆるメリハリのないことば遣いです。幸田露伴も、オルテガもみな大衆の持つなれなれしさを心配していました。

 格調のない一年中を浴衣で過ごしているようなものだといいたかったのでしょう。人間は節度がなくなれば地の底まで落ちていくものです。どこかで食い止めなければなりません。

 いまの世相はなんでも自由、すべて認める風潮です。

 自由の履き違えです。

 さて、ことばです。

 テレビでは心地よいことばは聴けません。

 ラジオではNHKの加賀美幸子さん、森田美由紀さん、TBSの遠藤泰子さんが語尾もはっきりして、状況も正しく語れる方々でしょう。男性はいません。聴きづらい人はいます。吉田照美という人、この人がアナウンサーであるということに疑問を持ちます。早口で語尾が定まらない。とても聴けたものではありません。総じていえばメディアは関西、大阪の勢力が有力なものですから、丁寧語の少ない表現が日常です。

 関西弁を好まない人もいます。逆もあります。好みでしょうが、標準語の存在も知った上で、地方の特色あることばも混ぜることでしょう。

 幸田露伴はかつて京都大学の先生になってくれといわれて行きましたが、半年でやめて東京に帰りました。その理由はとても京都弁を聞いて生活できなかったからといわれています。

 江戸っ子露伴ならあるかもしれません。

 ことばは奥深いものですね。露伴先生。

2014年6月6日 記