2014年11月22日掲載
独自性を失った日銀の動きも忘れずに!!
—安倍・黒田の二人三脚—
従来の日銀の堅実な体質に不満を持った安倍首相が登用したのが黒田総裁です。どこまでも金融緩和を主張し、金融政策で景気を強引に誘導しようとする手法が裏目に出た時、市中にあふれたはずのお金をどう動かすかに大きな不安があります。
いまは日銀から市中銀行にお金が貯められているだけで企業や個人消費に使われている形跡はありません。この政策を決定する会議が、前回10月31日の政策決定会合で9人中5人の賛成で決まりました。要するに金融緩和の継続に4人が反対という僅差でした。
11月18〜19日の決定会合ではどうなるか興味がありました。結果は8対1で賛成すなわち緩和継続が決定されました。黒田総裁は記者会見で「いったん決まった政策を短期間で変更するのは日銀の政策運営の信用を損なうという理由で今回賛成したと思う」と語っています。1人の反対となりました。一カ月の間に3人がそれまで反対していた緩和継続に賛成した背景には黒田総裁の説明以外に政治的な働きかけがあったと見るのが常識です。
総選挙も決まり、安倍政権の金看板の景気回復の指標の2%の物価上昇に向けての精一杯の日銀の政治活動であると私は見ます。
かつての日銀の独自性は崩壊し、政治と癒着した結果の会議となったわけです。
2014年11月20日 記
