2014年11月29日掲載
昨年の参院選「違憲状態」、政治の怠慢
一票の格差が最大で「4.77倍」であったこの選挙を、憲法違反として弁護士グループが訴えていましたが、11月26日、最高裁判決は見出しの結論を出しました。裁判官の1人は「無効」とし再選挙を求めました。
15人の裁判官のうち、11人が違憲状態としています。さらに判決は選挙区定数だけでなく都道府県単位の選挙区そのものの改正も求めています。
—今回の衆院選はどうなる—
衆院についても、まもなく行なわれる総選挙もこの参院裁判の結果が直撃することになります。憲法違反の目安は一票の格差が2倍といわれています。
総務省の試算では人口最少の宮城5区(約28万人)を1とした格差が2倍以上になるのは14区あり、東京では3区、5区、16区、22区、23区があります。
最高裁が11年の判決で求めた選挙制度改革が放置されてきていて努力が見られていません。与野党は逃げて有識者の機関の座長・元東大総長の佐々木毅氏に委ねていました。
—有識者会議の責任—
この有識者会議が早く結論を出さずにきた怠慢も問われます。これほど政治も世論も制度改革を求め、過去の資料も整っているのに、あまりにもひどすぎます。
政党、政治家は既得権益の剥奪をいいながら自分たちの既得権は手放さないのですから、強力な指導力が必要だったのです。
司法、行政、立法と三権が平等に扱われるのが民主主義です。
その意味で政治が一人権力を肥大させている歪な状態を裁判所の是正にまかせてしまうこの有識者会議の責任も政治と同等に追及されるべきです。
12月の総選挙の結果は無効、再選挙となる可能性も、この度の参院選挙判決は予言しているのです。
2014年11月27日 記
