2014年11月30日掲載

橋下大阪市長の強引さの敗北

—労働権への介入—

 11月26日に大阪地裁は、教育研究集会に小学校を使わせなかった市の条例は違法として約42万を市職員組合に支払うように市に命令しました。

 この条例は橋下市長が言いだして制定されました。「適正で健全な労使関係を確保し、市政への信頼を確保することを目的」としています。2012年7月議会で成立し、8月から施行されています。

 組合活動には便宜供与を行なわないとし、組合との交流を給与、懲戒処分、福利厚生などの6項目に限定して、職員定数、配置、職務命令などを交渉の対象とはしないとしています。

 判決は「これまで6市教組と市の関係が不適正ではなかった」また「学校の使用は、校長は憲法を尊重し慎重な検討をすべきであった」と注意義務違反と判定しています。

—事件の内容は—

 この事件は、2012年9月に大阪市の小学校を会場にして市の教職員組合が集会を計画しました。校長に使用の許可申請をしました。

 市は条例の12条の「組合への便宜供与は行なわない」として不許可になり、13年にも同じ処分が取られていました。

 判決が出て、ますます労働すなわち「はたらき」の軽視や軽量化に反省がなされなければなりません。

 働く人間の集団である組合を、正しく認識しない政治や意味がまだ現存していることに驚きます。

 身体を使って働くことによってしか収入のない集団にとって、権利に基づく保障が伴うことは当然のことです。橋下市長は弁護士資格も持つ政治家です。今更ながら力づくの政治が持つ「はたらき」への圧迫を考えさせられます。

 12条だけでなく条例全文が違憲の可能性があります。

2014年11月28日 記