2014年12月6日掲載

安倍政権の経済成果は?

—株高・円安では不十分—

 経済を英語でいうとエコノミクス。それと安倍首相のアベをつなげてアベノミクスとなります。米国のレーガン大統領のレーガノミクスの亜流です。

 この経済政策がすなわち安倍政権である、というのが安倍首相の姿勢です。この政策は3本の矢から成り立っています。この3本の矢も毛利元就の亜流です。

 1本の矢は金融緩和、2本目は財政出動、3本目は経済成長と連射するはずでした。

 1、2本目の矢は限界まで働きつくしています。

—経済成長にはつながっていない—

 しかし第3の矢の経済成長は昨年10〜12月期にマイナスとなり、プラスになったのは消費増税の駆け込み需要があった今年1〜3月期だけです。これは増税とは関係なく日本経済の体力が低下している証拠です。安倍首相の「消費増税のせいで低成長だ」というのは間違っています。

 安倍経済の目論見では1、2の矢で経済を刺激し、円安にして輸出を活性化するということでした。円安となっても輸出増にならないのは、企業が海外に生産拠点を移しているからです。日本に有利な為替水準でも生産に反映しないのは先行きの労働力の減少にもあるといわれます。

 株が高くなっている。円安で輸出企業の業績がよくなった、という人もいます。数字はそうです。

—大企業、株保有者だけへの恩恵—

しかしガソリンや食料品が値上がりして、実質賃金が増えていない、家計の購買力を減少させています。

 株高、円安による利益は株式保有者、一部の輸出企業に恩恵を与えるだけで、個人消費者である家計、内需企業には関係ないのです。こう見ますと日本国全体では利益はなく、円安水準を正当とする安倍経済は国民生活に害悪となっています。

 ではどうすればよいのでしょうか。

 物価が上がってデフレから脱却しているのに成長率が伸びないのですから、その理由である政府の財政出動で人手不足、資材不足を解消するために、公共事業をやめて、建設労働者、資材を民間に開放することです。

 安倍経済政策は既存の大企業が中小零細企業を引っ張るという大企業優先の古い手法です。時間がかかって、地道ではあっても規制緩和を確実に行なって国内産語湯の応援をすることです。

2014年12月5日 記