2015年1月15日掲載

預言者ムハンマドの風刺画の再掲載に賛成、反対?!

—敢ての刺激は—

 フランスの週刊紙、シャルリエブドがイスラム教の信徒が、最高に敬うコーランを記した預言者ムハンマドを漫画風に描き風刺すなわち皮肉ったり、冷やかしたりしたことに対する暴力による殺人がフランスで起きて世界的な恐怖、話題になっています。

 いま自爆テロ、誘拐、殺人をしている「イスラム国」の行業と混同する心配があります。このムハンマド風刺事件は、イスラム教の宗教をどうとらえるかという問題です。

 イスラムの教えでは預言者ムハンマドに対する批判、風刺は禁止というか論外の行為としているそうです。

 イスラム教に不案内の私はそう書くしかありません。

 とすれば西洋に主に広がっているキリスト教、東洋の仏教、わが国の神道を信じている信者が引き継いで守ってきたそれぞれの禁忌と同じ扱いをすることが好ましいのではないでしょうか。

 政治、文化、教育の問題ではなく、宗教問題として考えることで答えが出てくるでしょう。

 例えば政治、文化、教育について他国、他者、他団体との比較や批判は普通に行なわれます。

 しかしある宗教の教祖について反社会的、非常識な思想、行為でなければ外界から注文をつけることははばかられます。憲法で保障される信教の自由にかなっているからです。

 そう考えてくると、シャルリエブドの風刺はイスラム教徒の神経を逆なでしたことは間違いありません。

 テロの後の欧米諸国の非難はもとより、仏国民も反発の大規模デモを行ないました。

 1月14日の最新号でも再度、風刺画を表紙にしました。心、精神に関わる宗教問題をその宗教の独自性を軽視、無視して国際性を優先させることでよいのでしょうか。

 シャルリエブドやジャーナリストが今この時とるべき態度は、風刺されるのを嫌がっているイスラム教徒に敢て、新しい刺激を加えるべきでなく、鎮静化することを優先することです。

 いまイスラム教徒に感情的な反発を増大させることは、好ましいことではないと思います。

2015年1月14日 記