2015年2月20日掲載
ベネッセ訴訟の結末
—教育情報の杜撰さ—
何回も取り上げてきました旧福武書店、ベネッセホールディングスの顧客情報漏洩事件から半年たって集団訴訟が続いています。ベネッセは500円の金券を配って解決させようとしました。
1月29日に約1,800人、30日に約360人がそれぞれ1人当たり5万5000円、10万円が請求されています。トップの原田泳幸氏は「ダイレクトメールは価値がない」といって凍結しました。ところが1月下旬には再開しています。ダイレクトメールが旧福武書店からの伝統だったのです。
かつて住民基本台帳は区役所などで書き写すことができました。2006年に住民基本台帳法が改正され、書き取ることができなくなりました。それだけ名簿の価値は上がり、売買対象になり名簿業者さえ出始めました。ベネッセは「ひよこクラブ」「進研ゼミ」といった幼児から受験生までの個人情報が集まります。父兄、本人も横流しされているとは知らずにいました。それを横流しされていたのですから集団訴訟も当然です。
原田氏の責任は重大です。ダイレクトメールの凍結をいいながら再開している方向の変更は責任者の言葉の軽さといえます。
世間の非難に場当り的に弁解したに過ぎません。教育はきれいごとです。きれいごとに携わる人間が情報の不正な漏洩を行なったことは、責任を取るべきことです。原田氏は経営者としては成功してきたのかもしれませんが、教育を生業とする以上、そこに公正さがなければなりません。ベネッセが責任を取るためには原田氏の辞任を含めた分りやすい改善姿勢が必要です。ことが教育にかかわる事件ですので曖昧は許されません。
2015年2月16日 記
