2015年4月2日掲載
欧米で昭和天皇、アジアで安倍首相の知名度
—ノートリアスとフェイマス—
最近のあるジャーナリズムの米、英、仏、中、韓、タイの6ヵ国での世論調査で、日本人の知名度が明らかにされました。
タイトルの通りの結果です。
かつて私はオックスフォード大学出版会の『ポリティカル・クォーテーションズ(政治発言)』を2010年に出版しました。
歴史に名を残す2000人以上の人々の台詞を綴ったものです。アジアからはネールと昭和天皇の2人が取り上げられています。欧米から見た日本人の存在感の程度を知らされた思いです。
世界、あるいは世界の一部から見られたわが国の存在の小ささを知らされたと思いました。
さて、今回の世論調査でも英、米、仏では昭和天皇が1位という結果が出ました。アジアの3ヵ国では安倍首相が1位でした。
人に知られる場合、英語では悪名高く知られるノートリアス(notorious)と好感を持って知られるフェイマス(famous)があります。
世論調査で2人の知名度をどちらかとは分析していません。何しろ知られている程度が報告されているだけなのです。昭和天皇が『政治発言』で取り上げられていたのは敗戦の弁でした。
安倍首相の知名度は集団的自衛権の発言なのか、経済界を引き連れて歩いた売り込みの宣伝の結果なのか、少なくとも礼儀正しい気品ある振る舞いから来る知名度ではなさそうです。
2015年3月30日 記
