2015年4月8日掲載
世も末!裸像流出の被害とは!
いま町を歩くとうつむき加減の通行人が多く、急いで駅に向かう時などは戸惑うことが多い。みなスマートフォンを観ているのです。かつての“ながら族”という言葉が死語となるくらい特別な現象ではなくなっています。
進んできたスマートフォン社会すなわちインターネット社会では、驚くべき現実があります。かつて交際していた男女のどちらかが、復讐を目的として裸の画像をスマートフォンに流す事件が増えてきています。
警察庁のまとめたところでは昨年末の1か月で110件あったということです。
このうち65件、約60%は20歳以下でした。昨年11月に私事性的画像被害防止法が施行されて初めての集計です。まずこの法律ができたことに驚かされます。それだけ被害、騒動があったということです。裸を撮る私的環境は他人が介入すべき瞬間ではありません。
他の民事的な紛争すなわち権利関係とは異なります。
他人には見せられない二人だけの場面、裸の相手を撮ることにも首をかしげます。
そして関係が崩れかけると世間に流出させて復讐したりしようとします。
このごろ食堂に行くと、料理を写している男性や女性をよく見ます。
日記のようにしてそれを知人にも見せるのだそうです。そんなスマートフォンの楽しみ方があったのです。
そんなスマートフォンの利用の仕方と裸像流出は同じです。インターネット社会がここまで進んできて、私たちに牙をむいてきているといえます。
便利が進み過ぎ、利用、活用する側が賢くなければ、まさに醜態を映し出してしまいます。裸を撮ってもよいと了解する以前に相手を知り、理解する慎重さがあって、人間として、異性として観察する充分な時間をかけるべきです。
二人の関係に警察が入ってきて初めて解決できるものではなく、犯罪として相談になるのですから恥ずかしい限りです。もとよりスマートフォンで撮るということは、記録、記念というより他人を意識した行為であることに気づくことが先です。要するに世間、社会が幼稚になっている証しです。
2015年4月6日 記
