2015年4月14日掲載
将棋界はコンピュータと戦うな!
—将棋は人間のもの—
4月11日、コンピュータソフトと将棋士の対戦「電王戦」で八段の人間がコンピュータに勝ちました。全5局のうち、人間の3勝2敗。過去に2回戦って、2013年が人間の1勝3敗1引き分け、14年が1勝4敗と完敗。機械、コンピュータソフトは「人間を超えた」、「将棋士は何をしているのだ」と将棋愛好家からも声が上がりました。
今回は若手のコンピュータの扱いに慣れた将棋士が選ばれました。チェスはすでにコンピュータソフトが人間より強くなり対戦はありません。
将棋は81枡で取った駒が何度も使え、チェスより変化が多く、ソフトの開発は遅れています。
人間と機械の未来を予測する将棋とコンピュータの戦いは関心、興味はあってももう続けるべきではありません。
人間と人間が争うので面白いので、精巧な機械と人間が戦っても無味乾燥です。将棋界は一定の年齢までに4段にならないとプロ棋士にはなれません。
そんな人間らしい制約を作っていながら、記憶されたデータだけで対戦するコンピュータと真剣に将棋界は興味本位のコンピュータ会社、マスコミに踊らされているのでしょうか。つい最近、二歩を指して負けたプロ棋士がいました。こんな人間的なミスはコンピュータはしないのでしょう。人間の打ち込んだデータで指すだけです。
こと将棋については一般人とはかけ離れた頭脳を持つプロ棋士も、機械と人間の本来の関係、固い言葉でいえば哲学的関係に思いをいたすことはできなかったのです。人間がコンピュータソフトを動かし、使うのです。
コンピュータソフトを上手に使うあるいは使わない、という判断を人間的にする人間でなければなりません。
疲れることもない、気が散ることもない、心配することもないコンピュータソフトは、非人間的に動くだけです。ひたすら人間に使われるべき存在です。それに勝負を仕掛ける将棋界の将棋には強いが世事には疎い一面が出ました。
人間はコンピュータの記憶量には勝てません。
しかし人間はコンピュータを使いこなすことはできます。
人間が主人公であることを承知してコンピュータソフトとつきあう、という初手の初手を将棋界は学ぶべきです。
もう二度と愚かな試みは行うべきではありません。
2015年4月13日 記
