2015年5月16日掲載
武道を置きざりのスポーツ庁
—商業スポーツでよいのか—
今年10月からスポーツ庁が、発足します。
スポーツは健康、明るさという印象から誰も否定しません。しかし現在のスポーツ行政は見るスポーツに偏重しています。東京オリンピックに向けての施設にしても、オリンピックの時だけしか収容しない人数を前提に大規模になり不経済となっています。
スポーツは商売の助けになるということで、スポンサーは企業イメージをよくするために金銭を出します。
国も国際競争力としてのスポーツを奨励して、自国民の誇りを刺激します。
そのために予算も使います。ドイツのヒトラーもこの作戦で、民意をまとめています。
さて、かねてからの持論です。スポーツとしてくくれない武道は、他のスポーツとは異なる武道としてスポーツ庁の中におかれるべきです。柔道、剣道、空手、相撲の愛好者で武道を単なるスポーツと了解している人はいないでしょう。武道をやらない政治家、武道の文化伝統を知らない役人がスポーツ庁を作るのでしょう。
第一次安倍政権の時に中学校の武道必修化は決まりました。国が武道必修化をうたいながら、扱いはスポーツの枠内にあります。
上辺だけのスポーツ、武道行政といわざるをえません。巨大スポンサーのつきやすい派手な商業スポーツを中心に考えてスポーツ庁が設置されることになり、体を動かすスポーツ・ボランティアが支えるスポーツの影はますます薄くなります。本来の健康、娯楽のスポーツ・武道を目指すべきです。
2015年5月15日 記
