2019年8月23日掲載

まだ米国が咳をすれば日本は風邪をひくか?

—ものまね上手な日本—

 黒船から始まり先進国へ追いつけ、追い越せ姿勢を強めてきたわが国である。上には弱く、下には強い、という精神構造だ。

 米国との経済関係では米国の景気変動はそのまま日本も直撃してきた。米国で流行った文化芸術は日本にすぐ上陸し、また仲介者は真似をして成功してきた。いくらでもその筋の成功者はいる。

—米経済界は「株主第一」主義を見直す—

 米国にも日本の企業者団体のようなものがあったとは知らなかった。ビジネス・ラウンドテーブルというのだそうだ。そこが8月19日、株価上昇、配当増加の投資家の利益を優先してきた方針を見直し、従業員の利益、地域社会への貢献を考えると宣言したという。過度な株主優先への批判をかわすもくろみがある。企業の利益分配の偏りへの米国民の不満があった。

 さて、ものまね上手なわが国の経済界は、政治家は米国の企業団体の変化をどう受け止めるのか。海外投資家の投資家への利益還元の要求と、米経済界の方針変化をどう折り合いをつけるのか。

2019年8月22日 記