2020年3月1日掲載

芸能界の持つ売名手段

 アメリカの大物プロデューサーが女優に性行為をしたとして、ニューヨーク州裁判所は有罪の評決をくだした。被告は相手に同意があったとして控訴するという。だが芸能界では世界中どこでも、作品に採用され、有名になるためには、理不尽と我々が思っていることでも同意することが当然とするところがあった。さらに有名になるために話題をつくりだしたり、売り出すための宣伝に芸能会社から希望者にお金を要求することもあるという。そのような中の肉体要求がアメリカのプロデューサーの場合である。たまたま多数の女優からそのプロデューサーへの訴えが問題となっているのだ。日本でもまったく同じであろう。弱い立場の人間が相手の言い分に従うという力関係から出てくる問題だ。ここで自分を自ら貶めても身を処そうとする人がいるから改まらない。どっちもどっちの関係なのだ。

 わたしたちは芸能界、映画もテレビも過大評価をするべきではない。少なくとも子どもたちの憧れの仕事にすることに疑問を持つ。目立つことがすべてではないことも、教育のありかたであろう。自分の尊厳を大切にする人間になることが大切なのだ。目立つことではないのだ。

2020年2月26日 記