2020年5月18日掲載

衣食住の基本に戻る

 今。私の住む西が丘は桜の季節も終わり、静かさを取り戻した。新型コロナウイルス対策としての外出が控えられたとは言え、そこそこ人出はあった。だが近くのナショナルトレーニングセンターには全く人影はなく、選手たちの姿も見えない。使用禁止だからだ。

 このコロナウイルスは命を問う問題である。このウイルスを制御する医学的な答えが出ない限り、ウイルスを広げると言われている我々人間が、人と会わないことを行動の基本とするしかない。これを守れない人間がパチンコ店や酒場に行くのだ。

慎みを知る得難い機会

 かつて飢饉の時、人を食った、という記録もある。飛行機や新幹線の時代になっても、守られるべきは衣、食、住の生命維持の道具だ。この道具以外は、いましばらくは辛抱することだ。経済を動かそうとすると、命の危険がある。それでも働くということは、かつての精神主義の特攻隊である。いま世界中が動転している。誰も解決策を提示できない。もちろん医学的な対抗策は急がなければならない。毎年、秋から冬に今年のインフルエンザの型は何か、と示されてワクチン接種が行われる。それの劇症型が今、突然出現したと理解している、間違いだろうか。ウイルスも生き物で勢いも衰えもあるはずだ。今は衣食住の大切さを知って、生命維持以外の事柄に手を出さない慎みの時を与えられたと理解する。世界史に残るこの瞬間に自分はどのように行動したのか、記録しておくのも意義あることだ。

2020年5月15日 記