2021年5月30日掲載

週刊誌の元気と新聞のマンネリ

 週刊誌と言うと1週間だけの話題とでもいえるような、あまり信用できない印象があった。だが今は違う。皇室、政治家、芸能人など、世の中で名の知れた人を取り上げて批判、攻撃する。もともと報道機関の宿命、任務として、力のある人間を監視して横暴にならないようにする役目がある。かつて新聞がそうであった。社会の木鐸と言われた。だが今は事実を発掘したり、社会を励ます記事は生ぬるい時代になった。攻撃したり、罵声を浴びせる記事が好まれるようだ。社会が人間を変えたといえよう。それにつけても発行部数が減る中で、広告料で維持していくのは経営も大変である。どうしてもその方に目が向く。社会の体制で生きている企業は、いまを変える不安を持つか、変える希望を持つかという時に迷う。多くの企業は不安を持つ。そこで新聞にも穏健に今を変えない姿を求める。マンネリになる。

 週刊誌は記事が原因で、いくつもの裁判を抱えても発掘、攻撃をやめない。それに材料を提供する素材がいくつもあって、傷を抱える迷える子羊がうろうろしている。

 週刊誌は、派手にふるまう懲りない得物を探して話題づくりにつめを研ぐ。

2021年5月28日 記