2023年3月3日掲載

現代の二宮金次郎と金子の被る危険

 街を歩いていくとゆっくり歩く人、蛇行する人や自転車でおぼつかない運転をする人が増えてきた。みんなスマートフォンを見ながらの行動である。そんなに時間がないのか、と思う。また交流サイトで裸の写真を要求されたという報道も多い。

 携帯電話は議員という仕事柄から、急いでの連絡があるのでということで、持つようになった。今でも古いのを持っている。だが家庭用の電話でも議員でなければ不自由しない。スマートフォンを持つプラスとマイナスを比較したら、どっちが多いか分からないだろう。

 スマートフォンで、色々なことが出来る。楽しみで、興味本位で動くことはよくあることだ。それも自由。だが、私の経験では、持っていれば、いろいろと使いたくなる。人間はそれほど意志が強く、正義感が強いわけではない。スマートフォンに動かされていると言える。それはすなわち周りに動かされて自分がなくなっているということだ。

—便利さの裏側を見ると—

 ピストルだって、アメリカの各州は、西部開拓時代の後遺症で規制できないで、毎年、若い世代の事件、事故がある。原子力発電も安全利用が出来るという保証がないのに、再稼働する。一度、便利を知った猿はもう二度と不便な世界へ戻らない。

 私の古い携帯電話は来年あたりで、使えなくなるらしい。そうしたら、新しいものにしないで、家庭電話だけにしようと思う。自分のことを知らしめるのはこのホームページで済むし、知識はパソコン、図書館、新聞、テレビで足りる。一秒でも早く知らなければならない情報など私にはないからだ。季節の便り、俳句の投句などの連絡は汚い字ではあっても葉書で済ます。

 働きながら学んだ二宮金次郎は、楽をせず苦労して勉強したので農政や政治に大きな仕事をして、人々を飢え、貧困から守ったのだ。楽なスマートフォンが彼にあっても、薪を背負って家族を養う心で働き、努力しただろう。

2023年2月27日 記