2018年11月10日掲載

これからの政治研究 6の2
有権者教育にとどまらない政治教育を!

—政治教育とは自発的価値判断の養成—

 家庭にあって何かを決めようとすると、父、母をはじめ年齢の高い人の意見が力を持つのは一般的であろう。しかしこれが強引とまでいえるようになると、3人、4人の家族でもまとまらなくなる。家計の稼ぎ頭という昔の存在だけでは、いまは治まらない。誰にでも意見がある。それを引き出して結論づける習慣をつくることが大事だ。

 小中学生の児童会、生徒会では、学校運営に関心がある子ども、そうではない子と多彩である。しかし児童会、生徒会の役員選挙を通じて好ましい指導者、代表者を選ぶ訓練はできる。

—こんなことを行なう—

 学校運営への計画、考えをポスターにして貼る。演説会で主張する。それを応援して仲間を増やす。投票する。選挙管理委員会が公正を監視して投開票、発表まで責任を持つ。すべて一般社会の選挙運動と同じである。ここで経験しておくことが、立候補する側も選ぶ側も将来の政治参加となる。学校長をはじめ学校はおざなりの形成を求めるだけでなく、人を選ぶ、人に選ばれることの意義、責任、権利を正しく教えることが大切だ。この場面を通じて学校という組織・社会での自分たちの立場を知ることができる。

—政治教育は訓練からはじまる—

 まさに社会における政治参加の学習の場として、児童会、生徒会選挙を位置づけた教育を行なう必要がある。選ばれようとする側の主張の価値すなわち妥当性などの評価を下す訓練である。また選ぶ側の思い、期待の伝え方の訓練でもある。

 このように学校教育に政治教育を取り入れていくためにも、先に述べた教育委員の準公選は時代の要請となってくるはずである。

2018年10月24日 記