2019年5月3日掲載

憲法・法律を建前にしてはならない

—理念に現実を近づける努力が必要—

 今わが国は「花より団子」の時代である。美や誠実といった心に関わる問題よりお金になること楽になることに執心している。

 今日は5月3日、日本国憲法の効力を発揮した記念日である。世界中を戦争に導入した我が国の反省から誕生した憲法である。

 私が「この憲法を世界に広め、輸出するべきだ。」と唱え始めてから50年近くになる。最近では世界遺産への登録を希望する人人もいる。結構なことだ。

 その憲法の前文の唱和、朗読も同じく50年近くになるが、どれほど身辺に理解あるいは浸透されたか不明である。

—新天皇の誕生と憲法—

 2019年5月1日に令和天皇が誕生し、その2日後の記念日である。新天皇は政治発言をなさることはかなわないが、平和、安寧を求めることはご発言から間違いない。

 上皇の戦跡慰問のご腐心は私の一番心に残る業績であられた。昭和天皇の後始末といえる。今生天皇も平和の時代にお育ちで穏やかなご性格なので憲法に沿って活動されるに違いない。

—教育基本法の誤解—

 私は政治教育の大切さを大学でも教え、政治家としても啓蒙してきたつもりである。この政治教育は教育基本法でどう捉えられているかをみると要領を得ない。

 第八条(政治教育)では、政治的教養は教育上これを尊重しなければならない。とあるが、その第2項で学校は特定の政党を支持し、またはこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない、とある。

—憲法も法律も国民に生かされるべき—

 私が問題とするのは2点ある。政治的教養と政治教育はどう違うのか、というのが1点。2点目は政治教育を積極的に学校に取り入れるべき、というのが私の意見だ。生徒会選挙、PTAに生徒(S)を加えた校内組織の設立も政治教育だ。すなわち有権者年齢が引き下げられても投票率が低いことを考えると政治教育がまだ若年層はもとより社会人にも理解されていないということだ。第2項にいう特定の政党を支持また反対するための政治教育を学校で実施するなどは問題外の話である。

 5月3日の今日、日本国憲法と新天皇、そして形骸化している教育基本法と政治教育の現状を考えた。

2019年5月3日 記