2019年7月6日掲載

とんでもないトランプ大統領の自分勝手な目的と意図

—始末に負えない権力者たち—

 6月30日、G20を終えたトランプ大統領は、ツイッターで申し込んだ北朝鮮の金正恩労働党委員長と南北朝鮮の国境の板門店で面談した。大統領は「思いついて」ツイートし、正恩委員長も「本当に驚いた」とうけとめた。これは明らかに二人、米朝両国の最高幹部が仕組んだ芝居である。前にツイッターの軽薄さを書いたばかりである。両国の両指導者の独裁的、個人的わがままの気質で相互利用しあっているといえる。

—権利者同志のなれあい騒ぎ—

 トランプ大統領は来年の自分の選挙とノーベル平和賞への野心、正恩委員長は国の民主化への恐怖、自分の追放。それぞれ目的達成のために国や国民の幸福というより、すべて自分の延命と保身のためである。

 今回の面談もそれぞれの思惑をぶつけあって、自分本位の結果を期待しているのだ。自分を世界に注目させ、自分の存在を認めさせ、欲求を満たすことで満足する、まったく私的指導者である。公的な側面は微塵もない。武力で恐怖政治を行う北朝鮮は別として、トランプは歴代大統領はもとより世界史上でも、こんな指導者は誰もいない。後世の歴史家は、トランプ大統領をどう位置付けるのだろうか。わが安倍首相にもその体質はうかがい知れるのだが。

2019年7月2日 記