2020年5月11日掲載

5月12日は民生児童委員の日、
民生児童委員を厚労大臣委嘱として守る!

 私が都議会議長の時の話——民主党政権は地方分権を旗頭に、国の権限を地方に移すことに力を入れた。自民党政権との違いを出すためである。政治指導を強調して官僚の言うことを聞かず自分たちで政策を考えるという途方もない(思いあがった)ことをやった小沢一郎の考えである。まったく常識のない所業である。そんな時の出来事。東京都議会議長だった私は来賓として文京区のシビックホールで開かれた、全国民生児童委員大会に出席していた。全国の会長は挨拶の中で、去年からの動きとして今年、我々民生児童委員の委嘱が国の厚労大臣から,都道府県知事に変わる可能性が高い、と危惧を訴えたのである。民主党政権の分権委員会の中で、国会議員経験のある知事が、強力に知事委嘱を主張しているという。

 それを聞いた私は、今まで通りなんとか大臣委嘱が続くよう、挨拶の中で、議長仲間にこの件を図り、意見書を国に提出する、と約束した。たまたまその日の午後、大宮で首都圏議長会が入っており、千葉県と埼玉県と東京の三人の議長が話し合い、大会で約束した通り、間髪を入れず議長会の意見書を国に出すことができた。結果として大臣委嘱のまま今日に至っている。

 民生児童委員は平成29年に100周年を迎えた歴史のある組織で、生活相談、健康や介護の相談などで地道な活動ながら町の頼りになる存在だ。東京で1万人、全国で23万人がボランティアで貢献している。無償である。家に飾る大臣委嘱状が唯一の誇りという人も少なくない。

 後日、全国会長から感謝の手紙が届いた。そんな思い出のある民生児童委員の日が間もなく来る。

2020年5月8日 記