2020年5月23日掲載

安倍総理の軽すぎる思い付き提言のツケ

—アビガン承認の早とちり—

 今月、五月中に新型コロナウイルス対策の薬、アビガンを例外として使えるように承認する、と言った安倍総理。コロナに不安を感じている国民に期待させていたのだが藤田保健衛生大学などから総理の具体的に名指しした薬には効き目が証明されていない、という意見がこの19日に明らかにされた。かつて薬の被害で、サリドマイド事件があった。またエイズの事件もあった。いわゆる薬害訴訟になって国は負けている。薬の使用許可を出すのは国である。その許可を間違えていたから、国は裁判で負けたという経験がある。安倍総理が政治家として、医学の専門家でもないのにくだした判断で、健康被害を国民に与えれば大変な罪となる。いま五月も半ば、アビガンの承認を止めるのか、承認するのか。

 ここにきてトランプ大統領は、新型コロナウイルス感染予防のために、抗マラリア薬のヒドロキシクロロキンを、服用していると公表した。勿論今回のコロナウイルスには未承認薬であるばかりでなく、米食品医薬局(FDA)は副作用として心臓に障害が予想されると警告しているにもかかわらず、である。このトランプ大統領の非常識な蛮勇を、親友の安倍総理はわれわれ国民にも要求しようとするのか、ほとほとあきれた我が国の政治指導者である。

2020年5月21日 記