2020年6月28日掲載

安倍政権の結果主義、買ったもの勝ちの政治が招いた結果がこれだ

 1億5千万円という自民党からの資金を、昨年の参議院選挙で河井案里候補に特別に支出している。同じ選挙区のもう一人の自民党候補には一律の資金だったようだ。この候補は安倍総理と折り合いが良くないと言われている。特別扱いということならば、他の派閥から資金のこと、それも選挙に関わるのであれば不公平に指摘がありそうなものだ。何しろ選挙に勝てばすべてが円満ということなのだ。これが安倍政治の神髄である。小選挙区政治の弊害が出ている。候補の公認権や資金配分はすべて総理、総裁の特権となった。

河井両国会議員の辞任は当然

 案里議員の当選のために、克行議員が選挙を仕切ることは何の問題もない。だが金をわたす行為は投票依頼をしなくとも時期が選挙に近ければ、選挙違反である。まさに阿吽の呼吸である。すでに安芸太田町長が20万円を克行議員から受け取ったと認めて辞職、三原町長は150万円をもらったといわれる。辞職会見を25日に行った。このほかに安芸高田市長は県議時代に2回にわたり計60万円受け取っていると認めている。このほかに市議など公職の人間多数に買収の金をばらまいている疑いが指摘される。河井両議員は当然のこと自ら辞任すべきであるし、広島県の政治風土が金で動く汚れたものだと日本中に宣伝したことになるのだ。

安倍総裁の責任も…

 克行議員は安倍総理、総裁に信頼されている議員であるだけに、特別扱いして莫大な資金を提供した疑いがある。そうなると買収資金の出どころは河井両議員の当選を期待する安倍自民党総裁であり、買収に関係していることになるのではないか、と疑われてもおかしくないことになる。

 選挙を目前にして1億5千万円でどのような事務所、ポスターを法律にかなって準備し選挙しようとするのか。何しろ選挙には使っていい資金は法律に書かれているのだ。自民党の良識ある議員の声が上がらないのが不思議でならない。腐ってもタイの気概のある議員はいないのか。

2020年6月25日 記