2020年6月29日掲載

ご免で済めば、警察はいらない

 自民党前経産大臣菅原一秀の秘書が有権者に香典を配った問題で刑事告訴されたが、東京地検特捜部は起訴猶予とした。6月25日。検察庁の言い分は生ぬるい。

 「公選法を無視軽視する姿勢が顕著とまでは言えない。経産相をやめ、謝罪もしている。」と検察庁はいうのだ。確かに去年10月に大臣は辞めた。今月16日に謝罪会見もしている。これを起訴猶予の理由に出来るのか考えてみれば、辞任も謝罪も起訴猶予のために、検察の指示に従っているようにも見える。最も大事なことは、当選して国会議員になっているからこそ、大臣も議員も辞めたのだ。その議員になり方が法に背いている疑いがあるのだから、原点である議員辞職が論理的に正しいことになる。

 それにしても安倍政権には河井両議員の問題など、選挙と金にまつわる醜聞が多すぎる。結果のためには手段を択ばない。いま翻訳しているメリアムの言う、ジャングルの政治そのものだ。

 今年はなくなったが甲子園の高校野球のように、美しく勝ち、美しく負けて戦う過程にすべてをかける精神は爪の垢ほども期待できない。もとより夏の酷暑を跳ね飛ばす爽快さはそこにはない。政治家が国民から尊敬されることなど期待する方が無理ということだ。全部が選挙に当選する手段として金と物が使われている。ほかに確かな使い道があろうに。

 菅原代議士は思い出すべきである。子どものころにご免で済めば、警察はいらないと子供同士で軽る口をたたいたことを。

2020年6月26日 記